フィリピン人に人気のお土産!?日清カップヌードル!
日本でも大人気の日清カップヌードル。実は筆者の住むフィリピンでも絶大な人気を誇っています。フィリピン国内でも購入できますが、日本からお土産で持っていくととても喜ばれます。そこで今回は、なぜ日清カップヌードルがフィリピン人に喜ばれるのか、またフィリピン人へのお土産というニッチなマーケットの可能性について探っていきます。
フィリピン人に人気のお土産!?日清カップヌードル!
著者:フィリピンgramフェロー たこ坊
公開日:2023年 12月07日
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日本人観光客がフィリピンに持ち込むお土産
近頃では英語学習のひとつの手段としてフィリピン留学(フィリピン現地にある語学学校への語学研修)が流行っており、多くの日本人の方々がフィリピンへ渡航されています。ビデオ通話を通して国際交流ができるハロートークというスマホアプリが流行っていて、アプリ上で出会ったフィリピン人の友人たちに会うために渡航される方の話もよく聞くようになってきました。上記のような方々がフィリピンへ渡航する際、現地で会うフィリピン人講師や友人たちのためにお土産を持参します。しかし、初渡航する方の場合はフィリピン人がどういったものを好むのか把握していないため、「とりあえず日本っぽいものを持っていこう」と求められていない品物を持参してしまうことも珍しくありません。一方で、ビジネスや家庭の事情で何度もフィリピンに渡航される方も多く見受けられます。後者の方々がフィリピンへ持ち込むお土産として多いのは、チョコレートです。フィリピン人は甘いものが大好きで、特に日本のチョコレートは大人気。フィリピン現地のスーパーでも明治ミルクチョコレートやポッキー、キットカットなどよく見かけます。
そんな日本からフィリピンへ持ち込むお土産事情ですが、個人的に特に面白いなと感じているのが、インスタントラーメンの日清カップヌードル(特にシーフード味)です。
フィリピンに何度か渡航したことのある日本人であれば見たことがあるかもしれませんが、フィリピン到着後に空港の荷物受け取りエリアで待機していると、多くのスーツケースが流れてくる中、たまに日清カップヌードルの箱が流れてくることがあります。もはやフィリピンの代名詞としても知られる光景となっています。
シーフードヌードルといえばフィリピン人って何故かシーフードヌードルをアホほど食うの。だからマニラの空港着くと日清の工場かよっていうくらいシーフードヌードルが箱で流れてくる pic.twitter.com/qnpOP7T6lC
— (@aka_mos) December 17, 2015
ターンテーブルに乗っているカップヌードルを見るとマニラに着いた事を思い出されます。 pic.twitter.com/5hZPQ7rz2T
— 本庄浩幸 (@hankhonjo) May 6, 2015
Seafoodのカップヌードル大量買いを見た瞬間にフィリピン帰ってきたなと感じる#フィリピン pic.twitter.com/jLakx767Q7
— Kawa Philippines 🇵🇭新卒海外就職(沈没 (@Kawaphilli) September 3, 2023
実は、ある特定の日本人観光客が日清カップヌードルシーフード味を箱買いしてフィリピンに持ち込んでいるのです。その日本人観光客がフィリピンへ渡航する目的は、ずばり夜の歓楽街です。
日本国内のフィリピンパブでは飽き足らず、フィリピンの歓楽街へ遊びに出かける日本人男性の間で人気のお土産として広まっているのが「日清カップヌードル」なのです。お店の女性から直接頼まれたり、フィリピンへ夜遊びに行った男性のSNS投稿を参考にして持参する日本人が増え、気が付けば定番のお土産として定着しています。
フィリピン国内における日清カップヌードルの立ち位置
上記で述べた日清カップヌードル人気はあくまでも「歓楽街目的の日本人男性」という小さなマーケット内でのお話ですが、それを除いても日清カップヌードルはフィリピン国内で絶大な人気を誇っています。
日清食品グループは、フィリピン現地の財閥企業としても知られるユニバーサルロビーナと合弁企業「ニッシンユニバーサルロビーナ」を設立し、日清食品のカップヌードルをフィリピン現地でも展開しています。
フィリピン国内の即席麺はカップ麺と袋麵とでそれぞれシェアを占めている会社が異なり、カップ麺はニッシンユニバーサルロビーナ、袋麺はモンデニッシンがフィリピン国内のトップシェアを誇っています。後者のモンデニッシンは名前にニッシンと付いていますが、日清食品とは一切関係がない、というのはよく話のネタとして使用されています。フィリピンの即席麺全体の市場は2021年44.4億食に対し2022年42.9億食と伸び悩む一方、ニッシンユニバーサルロビーナの売上高は2021年79.68億ペソ、2022年98.91億ペソと順調に拡大しています。日清カップヌードルがフィリピン国内でも絶大な人気を誇っていることがわかります。
(ソース元:フィリピンの経済ニュース PRIMER:【フィリピン経済ニュース】日清食品の即席麺合弁事業、23年上半期17%増益に
https://primer.ph/economy/top_news/philippines-economy-news-0807/)
フィリピン国内でも日清カップヌードルを購入することできます(50円~100円程度)。フィリピン人の味覚に合わせて、フィリピンオリジナルフレーバーを販売していて、フィリピン国民から人気が出るのも納得できます。
ただ、日本のものと比較すると味は大きく異なります。フィリピン国内で流通している日清カップヌードルの味に慣れた後、日本の日清カップヌードルを食べると、大きな衝撃と感動が生まれることでしょう。一度日本の本物の味を知ってしまうと、もう昔の味には戻れないといった寸法です。
フィリピンの日清カップヌードルです。50円から百円程度です。
— 亜細亜漂流者 (@chan68900791) May 12, 2023
他メーカーと比較、多少良いのですが、決して美味しいとは言えません。
日本製は300円ほどですが、芸術的な味です。 pic.twitter.com/FQXDsSjBEM
フィリピン国内のスーパーマーケットで日本から取り寄せた日清カップヌードルを見かけることもありますが、値段がとても高く(1カップ300円以上)、一般的なフィリピン人は到底手が出せません。その結果、日本からやってくる知人や友人、顧客などにお土産として日本の日清カップヌードルをお願いすることになるわけです。
【フィリピンでカップヌードル】24
— TAKI | フィリピン・ボホール暮らし(Philippines・Bohol life) (@taki_bohol) January 19, 2019
フィリピンのコンビニで日清のカップヌードル買うと約320円#フィリピン #カップヌードル #コンビニ pic.twitter.com/2ATpguMXDy
フィリピンで人気の日本食品
以上のように、フィリピンでも人気を誇っている日清カップヌードル。日本から取り寄せたものを現地で購入することも可能ですが、とても高くつきます。でも、一度食べたら忘れられない本物の味。何とかして手に入れたい。それがタダで手に入るわけですから、当然お土産として人気も出ますよね。
フィリピン現地で流通しているものは質が劣っていたり、逆に高くて手が出せないという日本の食品は日清カップヌードルのほかにもたくさんあるはずです。そういったものを厳選してお土産として持っていけば、現地の知人や友人からも心の底から感謝されることでしょう。
「フィリピンへお土産を持参する日本人」というのもひとつの小さなマーケットとなるのではないでしょうか?
まとめ
日本では誰もが知るカップ麺、日清カップヌードルですが、実は筆者の住むフィリピンでも絶大な人気を誇っていることについてご紹介しました。日本食品はやはり日本から取り寄せたものが一番美味しい。ある日本人がお土産としてフィリピンに持参したものが、フィリピン人の舌に感動を与え、「もっと欲しい、もっと食べたい」と思わせ、周囲の知人や友人へとその感動が伝播していき、口コミで広まっていく。周囲の環境や人に依存し合って生活するのがフィリピンスタイル。一つ一つのコミュニティの規模は大きく、口コミが広がるスピード感は日本の村社会を超えると言っても過言ではありません。数名のフィリピン人を感動させるだけでも、感動の伝播はスピーディに広がっていきます。
今回は日清カップヌードルをメインに取り上げましたが、フィリピン国内のマーケットだけでなく、フィリピン好きな日本人を対象とした、フィリピン人へのお土産ニーズという小さなマーケットを狙ったビジネスのヒントとして参考にしていただけると幸いです。