シンガポール 世界で6番目に平和な国にランクイン
独立系のシンクタンク「経済平和研究所(IEP)」の報告書によると、シンガポールは、2023年世界で6番目に平和な国にランクされ、アジアでは最高位の国となりました。
その理由は、社会の安全、軍事化の抑制、そして国際紛争の少なさ。高い治安と調和の取り組みが、シンガポールをアジアでの平和のリーダーに押し上げた要因です。
そこで今回の記事では、世界でもひときわ安全な国であるシンガポールの治安がいい理由について解説します。
シンガポール 世界で6番目に平和な国にランクイン
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年 8月11日
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3つの領域でトップクラス
シンガポールは世界平和指数で、昨年の10位から順位を上げており、長期にわたってそのランクを維持しています。
世界平和指数 (GPI)とは、世界の平和を示す尺度です。平和の傾向、経済的価値、平和な社会を発展させる方法を包括的に分析をして示したもので、世界人口の 99.7% をカバーしています。
世界平和指数は、次の3つの基準で平和状態を測定しています。
「 社会の安全とセキュリティのレベル」
「 現在進行中の国内および国際紛争の程度」
「軍事化の程度」
シンガポールはいずれのドメインでも上位にランクインしています。
他のアジアの国は?
2023年の世界平和指数ランキングの1位はアイスランドで2020年から連続で1位を維持、2位にはデンマーク、3位はアイルランドがランクインしています。
他のアジアの国では、日本が9位、マレーシアが19位、台湾が33位に入っています。
世界的に食料不安と政治的不安定が増大しており、南アジアでも危機が増大しているとレポートされています。
シンガポールへの評価
同報告書では、シンガポールの平和な社会の維持に対する揺るぎない政策と、国内の調和を維持する戦略に対する効果的な取り組みが評価されています。
また、シンガポールの過去10年のランキングでの目覚ましい上昇は、静けさや社会的結束、安全な環境を育むための継続的な努力の証であると評価されています。
効果的なガバナンス、社会の調和や公共の安全などの要素が優先されることによって、高い平和指数を維持できていると報告しています。
治安が良く、安全な国
イギリスの経済紙「ザ・エコノミスト」が2年に一度発表している「Safe Cities Index」(世界の都市安全性指数ランキング)で、シンガポールは2021年の調査でも世界3位にランクインされています。
シンガポールは間違いなく世界でトップレベルに治安がいい国です。
夜道を一人で歩いていても怖いと感じたことは一度もなく、いかがわしく怖い感じがする裏通りなどもほぼ存在しません。
厳しいルール規制
ではなぜ治安が保たれ、安全な国であるのか。その理由はシンガポールの「厳しい規制」にあると思われます。
有名なものでは、ゴミのポイ捨ての厳しい取り締まりがあります。
以前こちらでも紹介しましたが、2023年の6月1日から、ホーカーやフードコートなど公共の食堂で、使用済みのトレイや食器を片付けずにテーブルへおいていくことに対して取り締まりが強化されています。忠告を拒否した場合、まずは書面で警告され、再犯者には罰金として300シンガポールドル(約3万円)が科されるか、裁判所に起訴されると、非常に厳しくなっています。
シンガポールにこれから訪れる方は十分に注意が必要です。
国の強力な意思
シンガポールでは街のいたるところに監視カメラがあります。
2030年までに9万個以上の防犯カメラが設置される予定で、犯罪防止を目的として設置されます。
大量の監視カメラの設置については、プライバシー侵害も考えられ賛否両論はあるようですが、シンガポール政府は、プライバシーよりも治安を維持し国民を守ることを重視しています。
「清潔で安全な国シンガポール」という世界的なブランドバリューを維持していくために、国民の意識改革からはじめる解決法を講じ、政府の強いガバナンスを活かしていくシンガポール。「明るい北朝鮮」と揶揄されることもありますが、その時々で最善の決断をしていると言えるのではないでしょうか。