チャンギ空港 世界第4位の利用者数の多い空港に

世界的な旅行データプロバイダーであるOAGアビエーションによると、チャンギ空港は、航空会社の座席数で2024年には4番目に混雑する国際空港となったことがわかりました。
あらゆるデータで、常に世界のトップクラスにランクインしているチャンギ空港ですが、コロナ禍からも完全に回復し、再び世界のトップに君臨しそうです。
そこで今回は、インフラの整備・アップデートに余念がないシンガポールの事情について解説いたします。
チャンギ空港 世界第4位の利用者数の多い空港に
著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon
公開日:2025年 3月14日
前年比で15%アップ

チャンギ空港の国際線の座席総数は2024年には4,150万席となり、前年比15%の増加となりました。2023年には5位にランクされていました。
トップはドバイ国際空港で6,020万座席の定期便の座を有し、ロンドンのヒースロー空港、ソウル・仁川国際空港がそれに続いています。
チャンギ空港の国際線座席数は増加しているものの、世界で最も利用者数の多い国際空港の4位にランクされていた2019年の4,250万席にはまだ2%足りませんでした。
常に最新の設備
チャンギ空港では最先端の設備に加え、入国手続きを効率化するために自動チェックインと生体認証を導入しています。以前の記事でも紹介したように、全ターミナルでパスポート不要の入国審査を導入した世界初の空港の一つとなり、旅行者はわずか10秒で入国審査を受けることができるようになりました。
数々の受賞歴
チャンギ空港は、その獲得した賞の数から見ても際立っており、世界で5番目に豪華な空港、最もインスタグラムに投稿された空港、ショッピングに最適、そして世界で最も美しい空港の1つに公式に認定されています。「ワールド・エアポート・アワード」でも、6年連続で1位を獲得しました。
また、シンガポールとクアラルンプール間の路線は、コロナ禍前には世界で最も混雑する国際航空路線のトップの座についていました。2024年は4番目に混雑する路線でした。
チャンギ空港の成長と先進性
チャンギ空港は、現在世界48カ国153都市と結ばれています。
2019年には、複合施設「Jewel Changi Airport」がオープンし、世界最大級の室内滝や広大な室内庭園、ショッピングモールなどがあり、空港利用者に快適で多様な体験を提供して大人気です。
チャンギ国際空港は、その卓越した成長と先進性で世界的に高い評価を受けています。
国家戦略としてのハブ空港
シンガポールは東南アジアの中心に位置し、6時間以内のフライトでアジア太平洋地域の主要都市へアクセス可能なため、国際的な航空・物流ハブとして発展してきており、 政府はこの地理的優位性を活かし、航空ネットワークの強化に投資してきました。
また、シンガポールは貿易依存度が高く、世界銀行2023年のデータでは、GDPの約300%が貿易に関連しています。そのため、航空輸送の効率化は国の経済成長に直結しているため、チャンギ空港の貨物取扱能力を強化し、特にEコマースや医薬品輸送など高付加価値物流の拠点としての役割を強化する政策をとっています。
充実化を図るチャンギ空港
シンガポールがチャンギ空港の充実に注力する理由は、国の経済発展を支えるために航空・物流ハブとしての地位を強化する必要があるからです。そのために、
・大規模なインフラ投資(Jewel・ターミナル5計画)
・航空会社の誘致(着陸料減免措置
・スマート空港化の推進(AI・自動化)
といった戦略的政策を実施し、世界有数の空港としての地位を確立しています。
これにより、チャンギ空港は「単なる交通の拠点」ではなく、シンガポールの経済そのものを支える重要な存在となっています。