続々!シンガポールのホテルが日本へ進出
7月6日、シンガポールを拠点とするカペラホテルグループが日本に初進出し、京都に「カペラ京都」を2025年夏に開業するとの報道がありました。
近年、シンガポールのホテルや、外国資本でシンガポールに進出しているホテルの日本への進出が加速していて、たびたび報道されています。
そこで今回の記事では、なぜ今、シンガポールのホテルが日本進出を進めているのかを解説します。
続々!シンガポールのホテルが日本へ進出
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2022年7月26日
シンガポールの5つ星ホテル
カペラシンガポールは、シンガポールの有名リゾート地であるセントーサ島にあるブティックリゾートホテルで、セントーサ島の海岸を見渡せる小高い丘の上にあります。美しい自然に囲まれ優雅な静寂を持つロケーションにある、シンガポールでも人気のホテルです。
2009年にオープンし、1880年代の歴史的な建物と現代的なアートを融合させた白亜のコロニアル風なホテルデザインは、贅沢なリゾート滞在を体験させてくれます。
カペラ京都
カペラ京都は、地上4階地下2階建て、延床面積は約1万5730平方メートル。京阪電鉄の祇園四条駅から徒歩4分、阪急電鉄京都線京都河原町駅から徒歩8分の場所に位置し、清水寺や八坂神社、建仁寺、鴨川といった観光名所にアクセスしやすい立地環境です。
ホテル内は、スイートルームを含む92の客室のほか、レストランや宴会場、スパを完備。カペラホテルグループ社長のクリスティアーノ・リナルディ氏は「文化と遺産に溢れる京都は、私たちが日本でホテル運営を展開する上で完璧な場所です。地域と連携し、より良いコミュニティー作りへの貢献、更に地元の特性を活かしながら、本物の体験を提供するホテル運営をめざしてまいります」とコメントしています。
外資系高級ホテルの日本進出
外資系高級ホテルの日本進出が目立ち始めたのは90年代からで、先陣を切ったのが「パークハイアット東京」でした。続いて恵比寿ガーデンプレイスに登場したウェスティンホテル東京。このほかにも92年には、文京区目白の椿山荘の敷地内に「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」が開業しました。
シンガポール系ホテルでは、大手複合企業のホンリョン・グループ傘下のミレニアム&コプソーン(M&C)ホテルズが、三井不動産子会社の三井不動産ホテルマネジメントと共同で、東京・銀座に「ミレニアム三井ガーデンホテル東京」を開業。また、シンガポール資本の高級リゾート運営アマンリゾートも東京大手町に「アマン東京」を開業しています。
また、昨年の東京オリンピック前には、シンガポール系企業が日本のホテル業界への新規参入や事業規模拡大を図りホテル買収が加速していて、ホンリョン系不動産開発大手が東京のビジネスホテル「ホテルマイステイズ浅草橋」「ホテルマイステイズ蒲田」の2軒を計58億円で買収しており、サービスアパートでは、政府系不動産キャピタランド傘下のサービスアパート運営大手アスコットが、大手町で三菱地所が建設した高層ビルで最高級ブランド「アスコット・ザ・レジデンス」を運営しています。
ファーイーストホスピタリティは、「ヴィレッジホテル有明東京」を開業しています。
将来的に大きな可能性
外資系ホテルの日本進出ラッシュが続く背景には、世界的なブランド力を誇り、外国人の目から見ていわゆる高級ホテルと呼べるホテルが国内系にはないためだといわれています。
日本のホテル業界は、特に近隣アジア諸国の中間層市場からの需要が着実に伸びており、
東京オリンピックを終えてもなお、東京は国際ゲートウェイ都市として有力でブランドの露出を高めるチャンスの場でもあると考えられています。
また、日本政府は2030年には年間6,000万人の外国人観光客を獲得することを目標としていることもあり、ホテル業界は将来的に大きな可能性があるといえます。
今後のホテル業界にはプラス材料が多い一方で、客室総数の供給過剰を懸念する声もあります。外資系ホテル、日本国内勢との間で競争がより激化しそうです。