シンガポールの定番朝食「カヤトースト」

シンガポール

シンガポールの定番朝食といえば「カヤトースト」。

トーストにカヤジャムを塗り、そこにスライスした少し塩味のあるバターをはさんだカヤトーストは、シンガポールを代表するソウルフードのひとつとして、シンガポール市民には欠かすことのできないグルメです。現在では世界中の人々を虜にして、ファンを増やしています。

この記事では、そんなカヤトーストについて詳しく紹介し、あわせて、おいしい食べ方を紹介します。カヤトーストでシンガポール気分を味わってみませんか。

シンガポールの定番朝食「カヤトースト」

   著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年 8月25日

カヤジャムとは?

カヤトーストにぬってあるのがカヤジャム。カヤジャムの原料はココナッツミルクがメインで、それに卵、砂糖、そしてパンダンリーフと呼ばれる東南アジアの料理や菓子に多く使われるハーブを加え、とろみが出るまでじっくりと長時間煮詰めて作ります。このパンダンリーフの色と香りがカヤジャムの特徴となっています。パンダンジャムには黄色いものと緑色のものの2種類ありますが、パンダンリーフを入れないと黄色のジャムになります。つまりパンダンリーフは天然の着色料であり香料にもなっています。  

パンダンリーフの効用

パンダンリーフは東南アジアでは主にスイーツでは欠かせないハーブですが、意外な利用法もあります。お隣の国マレーシアではゴキブリや蚊などの害虫除けに使われており、タクシーなどに乾燥した葉っぱが置いてあることもあります。また、糖尿病や高血圧などに効果があると民間療法でも用いられています。その殺菌効果が健康な肌を保つことに期待できるとし、スキンケアにも使われて人気となっています。

カヤトーストの歴史

カヤトーストは、海南島(南シナ海北部の島)からの移民が、働き先の英国の船で出されたフルーツジャムをぬったトーストをアレンジしたのがはじまりと言われてます。フルーツジャムは高価なので、入手しやすいココナッツを原料に置き換えてカヤジャムが誕生。その後カヤトーストが店舗でも提供されるようになり、シンガポールの朝食として定着しました。

カヤトーストの元祖

「Ya kun Kaya Toast(ヤクン・カヤトースト) 」が元祖とされ、1944年創業で、今やシンガポール中に店舗展開しており、世界10ヵ国で約120店舗を展開する一大チェーン。

日本にも進出しており、東京国際フォーラムと霞が関ビルに店舗があり、カヤトーストだけではなく、カヤトーストとの相性抜群の「コピ」(コンデンスミルク入りの独特の甘いコーヒー)も楽しめ人気です。 

ヤクン・カヤトーストと並ぶ老舗ブランドが「Killiney Kopitiam(キリニー・コピティアム)」。開業はなんと1919年で、店名を現在の名称に変更後、多店舗展開を進めています。甘すぎず、すっきりとしていて軽い口当たりが魅力で、私も大ファンで通っていました。

購入できる店

カヤジャムは現在「成城石井」や「カルディ」でも購入できます。成城石井では定期的にシンガポールフェアが開催されていて、定番商品にもなっていますね。

カヤジャム

カヤトーストのおいしい食べ方

基本はトーストにカヤジャムを塗って薄切りのバター(有塩バターの方がおいしいです)を挟んで食べます。シンガポールでは、温泉卵と一緒に食べることが多く、とろっとしてコクのある卵の黄身と甘いカヤトースト、そしてコピの組み合わせはやみつきになります。

アジアな休日の朝

休日の朝などにカヤジャムを活用してカヤトーストを楽しんでみてはいかがでしょうか。一瞬にしてシンガポールの朝を体験できます。

シンガポールを訪問したら、ホーカーなどの屋台で食べてみると、シンガポールの食文化を知るきっかけにもなり、アジアの香りにつつまれます。

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