祝日「ディーパバリ(Deepavali)」について

シンガポール

11月12日はシンガポールの祝日「ディーパバリ(Deepavali)」です。

「ディーパバリ」とはヒンドゥー教徒のお正月で、「光の祭典」とも呼ばれています。
シンガポールだけではなく世界中でヒンドゥー教徒が新年を祝います。

当日を迎えるまで1ヶ月ほどお祭りムードが続き、インド系の方が多いリトルインディア付近はきらびやかな飾りつけがなされ、輝きを放っています。

今回の記事ではシンガポールの祝日のひとつディーパバリについて紹介します。

祝日「ディーパバリ(Deepavali)」について

   著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年 12月15日

闇に打ち勝つ光を讃える

ディーパバリは、善が悪に勝利(光が闇に勝利)したのを祝福するヒンズー教徒のお祭りで、「ディワーリ」とも呼ばれています。

世界各国のヒンズー教徒の家庭で自宅を電球やランプできらびやかに飾り、プレゼントを交換しあって、ご馳走を振る舞います。

最も重要なのは、豊穣と富・繁栄を司るヒンズー教の女神ラクシュミーへお祈り(プージャ)を捧げることです。「ディヤ」と呼ばれるオイルが入ったランプで闇夜を照らし、小麦粉やお花で作った「ラゴーリ」と呼ばれる美しい飾りをして、善(光)の勝利を祝います。

コーラムアート

毎年ディーパバリが近づくと、ショッピングセンターなどでは、色付けされた米で絵が描かれます。「コーラム(Kolam)」と呼ばれる繊細で、色鮮やかな美しい飾りです。

コーラムを描くのには、2つの意味が込められています。ひとつは家内安全を祈ること、そしてもうひとつは神を家に招き入れることです。

風や雨などでコーラムが消えると神が訪れたとみなされ、縁起がいいとされています。

縁起ものなのでショッピングモール以外にもホテルや会社、マンションのロビー、駅などにコーラムが描かれます。

リトルインディア

19世紀のイギリス植民地時代にインド系の移民が住み始め、街に発展したのがオーチャードロード北東に位置する「リトルインディア」です。

ヒンドゥー教の寺院やモスク、インド系の商材を扱う商店などが集まる一帯で、ディーパバリになると美しい色彩、お香の香り、そして熱気にあふれかえります。

きらびやかな街の飾りつけは、ディーパバリの後も1ヶ月くらい続くので、しばらくは独特のお祭り気分を味わえます。

お土産品を買うのに最適な「ムスタファセンター」に行ってみるのもいいですね。

ヘナタトゥ

光り輝く飾りに、伝統的な甘―いお菓子、そして美しい刺繍がなされた神秘的なサリーが人々の目を楽しませてくれます。

また、「ヘナタトゥ」と呼ばれる精緻なタトゥをこの時期に体験する方も多くいます。

ヘナタトゥは幸運を呼ぶといわれ、インドでは結婚式やお祭り前に豪華なデザインを施したりします。1週間前後で消えるので気軽に楽しめます。コーヒーショップで、泡状のミルクティー「テータレ」を楽しむのもいいでしょう。

多民族国家

さまざまな民族の宗教行事を体験すると、シンガポールは多民族多宗教の国であることを改めて実感できます。

ディーパバリ期間中のリトルインディア周辺の混雑は凄まじいものがあります。

財布などの貴重品をしっかり管理しスリに注意して、楽しく民族の祭典を楽しんでみませんか。

Malay Dragon

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マレーシア・シンガポール在住のgramフェロー 経済上から時事ネタ、現地のマナーまで幅広く執筆。

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