住所のない国ブータンで通信販売を試してみた
南アジアにある国、ブータン。山道が多いこの国で、車を持たない人にとって買い物は一苦労である。そんなブータンにも通信販売がある。日本と同様インターネットやアプリで注文し家まで届けてもらうのだが、ブータンには住所がない。一体どのようにして商品が届くのか。実際にブータンの通信販売を体験してみた。
住所のないブータンで通信販売したら商品はちゃんと届くのか?
著者:ブータンgramフェロー よう
公開日:2023年2月21日
- 日本のセブン銀行 マレーシアに海外グループ会社を設立
- コスパ重視の中国で割高な日本料理が人気の理由とは
- ドナルド・トランプ前大統領圧勝!米国大統領選挙|海外の反応
- シンガポールを拠点とするリゾートホテルグループ 日本初進出
豊富な商品
ブータンの通信販売は少なくとも2つはあるようだが、今回はZala.btを利用してみた。まずはアプリをダウンロード。
アプリの検索画面に欲しい商品を入力し、探す。いろいろ見てみたが、日用品や食品、ハサミやコスメまでなんでもある。日本でいう楽天やAmazonのようである。生野菜はないが冷凍の肉が買えるので忙しい人にはとても良い。日本人の友人やブータン人でも持っている人が多いのがこのミネラルウォーターのジャーである。
ブータンで水道水を飲むことは衛生面から推奨されていない。そのため多くの人は煮沸した水を飲むか、ミネラルウォーターを購入している。ミネラルウォーター自体は安価で、日本円で1本約20円である。しかし毎日飲むことを考えると、山道の多いこの国で家まで持ち帰るのが大変である。そんな中このウォータージャーは、家でミネラルウォーターを飲むことができ、かつ家まで運んでもらえるので重宝されている。
住所のない国
ブータンには住所が存在しない。正確にいうと、地域名はあるが日本のように細かい住所や番地がない。どこに住んでいるのか伝えるときは、有名な建物やお店を目印に説明をすることが多い。郵便物は郵便局に取りにいく。
日本のように配送の文化が進んでいないため、親戚や友達間で荷物を依頼して運んでもらうことはない。ブータンで正確に自分の住所に荷物を届けてもらうことは難しいのである。
配送方法と支払い
気になる支払いと配送方法についてだが、決済画面まで進むと前払いか配達員に直接支払うか選択する。前払いや配達員に直接支払う場合、ブータンで流通しているモバイル決済が利用できる。実際私も配達員の携帯にモバイル決済で支払いをした。もちろん現金でも支払いは可能である。
送料に関してはティンプーの街中心部は無料で、その他の地域を入力してみると320Nu.の送料が追加される。日本円で約540円。バスやタクシーで2〜5時間かかる場所でもその料金だったので安いと感じた。購入が完了するとZala.btから電話がかかってきて、家の位置を確認される。そして何時ごろにいく、または今から届けに行くと伝えられるので、そのタイミングで家にいるよう調整する。近くまで配達員がくると再度電話があって、家の細かい位置を伝え、配達員が家まで来る、という流れである。
日本の置き配や宅配BOXのことを考えると、少々面倒ではある。しかしその日にすぐ届くこと、重い商品を家の中まで運び、頼めば設置までしてくれるのでサービスとしては全く問題ない。
通販市場の拡大
首都のティンプーでは車を持たない人も多く、通信販売の需要は今後さらに拡大していくことが予想される。注文数の増加に伴い、送料の増額や受け取り方法の多様化もみられるようになるだろう。