2023年韓国の旧正月、最新の様子と今年のトレンド

東アジア

韓国の代表的な祝日、설날(旧正月)が今年もやってきました。多くの人たちが故郷に帰り、家族や親戚と集まり、一家団欒の時を過ごします。

今回は、パンデミック後のウィズコロナで迎える2023年の韓国の旧正月を記事にしました。

2023年韓国の旧正月、最新の様子と今年のトレンド

   著者:韓国gramフェロー 田中 桃子
公開日:2023年1月29日

韓国の旧正月

今年の旧正月は1月21日~1月24日の4日間です。旧正月が近づくにつれ、街には新年を祝うポスターや、ウサギ年ということでウサギのオブジェが多く現れました。

旧正月は、自宅に帰省し家族や親族と集まり旧正月料理を食べたり、韓服(チマチョゴリ)を着て膝をついて挨拶をします。

투호という棒を投げて壺の中に入れるゲームをするのも、旧正月の習慣の一つです。

帰省ラッシュは毎年恒例です。連休の始まる前日の夜から帰省ラッシュが始まり、ソウル駅や高速バスターミナルは多くの帰省客で混みあいます。今年もソウル市外へ行く列車の前売り券は95%以上の売れ行きで、連休中は増便して運行します。

韓国には日本のお正月のおせちのように旧正月料理があります。떡국(お餅入りスープ)、전(チヂミ)、갈비찜(蒸しカルビ)、잡채(チャプチェ)などを食べます。「数え年」制度がある韓国では、新年にこのお餅入りスープを食べることで年齢が増えていき、家族全員の長寿と繁栄を願う意味があるそうです。

ウィズコロナ、2023年旧正月の傾向

コロナウイルスのパンデミック以降、韓国の旧正月の様子も変化しています。

お年玉
韓国でも세뱃돈(セベッドン)という、新年にお年玉を渡す文化があります。今年の平均価格は小学生以下3万ウォン(約3千円)、中学生5万ウォン(約5千円)、高校生・大学生10万ウォン(約1万円)でした。

小中学生は2万ウォン(約2千円)、高校生・大学生は5万ウォン(約5千円)ずつ上がったそうです。

(引用:2023 설날 부모님 용돈·세뱃돈 적정금액은? < 종합 < 경제 < 기사본문 - 국제뉴스 (gukjenews.com) https://www.gukjenews.com/news/articleView.html?idxno=2640448

旧正月の贈り物
お世話になった人や、親しい人に渡すプレゼントの傾向も変わってきています。物価高騰の影響で、今年は1万ウォン以上5万ウォン以下(約千円以上五千円未満)のギフトを購入する人が全体の69%を占めています。その反面、パンデミックで贅沢ができなかったため、韓牛肉や高級ワインなど、10万ウォン以上のプレミアムギフトセット購入する割合は昨年と比べて29%増加しました。

旧正月料理
今年は食料価格の高騰で、旧正月料理をテーブルいっぱいに用意するのに費用がかかりすぎると嘆く声も多いです。
連休に親戚が20人近く集まるという家庭もあるため、食事を簡素化したり、材料費の高い料理はミールキットに置き換える人も増えているそうです。4人家族の旧正月費用は25万4300ウォン(約2万5430円)と、昨年より5.8%、14,010ウォン(約1401円)増加したそうです。

(引用:올해 설 차례상엔 밀키트 올립니다…한숨만 나오는 물가 | 한경닷컴 (hankyung.com) https://www.hankyung.com/economy/article/202301194663g

ソウル駅のロッテマートでは、ミールキットのコーナーがほぼ売り切れ状態で、ほとんど商品がありませんでした。


その他
イギリスの大英博物館が、Twitterに「韓国陰暦正月」という表現を使用し、中国のネットユーザーから批判を受けて「中国旧正月」に修正するという出来事がありました。現在もこのニュースは韓国国内のテレビ、インターネットで大きく取り上げられています。

(引用:中네티즌 공격에 놀랐나…황급히 “중국 설” 꼬리내린 영국박물관 | 연합뉴스 (yna.co.kr) https://www.yna.co.kr/view/AKR20230123016300085

休暇中に家で飼っている犬をどうするのかについて口論になり、妻を殴ったとして50代男性が暴行容疑で逮捕されたというニュースもありました。

(引用:“연휴 동안 강아지 어쩌나”…말다툼 끝 아내에 주먹 휘두른 50대 체포 (donga.com) https://www.donga.com/news/Society/article/all/20230121/117541587/1

旧正月のトレンド「人気の旅行先は日本」

旅行業界は19日、今年の旧正月の休暇を①規制旅行 ②費用対効果 ③日本、これら3つのキーワードでまとめました。

海外ツアー旅行と航空券の割合は、昨年の旧正月(2022年1月29日~2月2日、計5日間)と比較し、それぞれ3187%と3135%増加し、32倍に以上に増加しました。昨年より1日短い休暇期間にもかかわらず、海外旅行の需要が爆発的に高まりました。

昨年は米州41%、欧州31%と、長距離路線をが好まれる傾向でしたが、今年は日本が48.7%と半数近くを占め1位となりました。

国際航空券を基準に大阪15%、福岡11%、成田10%、バンコク7%、ダナン5%と、1~3位はすべて日本の都市で、入国制限緩和と円安により日本旅行の需要が高くなっています。

(引用:보복여행·짧고 굵게·일본…미리 보는 2023 설날 연휴 트렌드 (hankookilbo.com) https://m.hankookilbo.com/News/Read/A2023011910300004015

連休後は室内でもノーマスク解禁

韓国では旧正月明け、今月30日から室内マスク着用義務の一部が解除されます。公共交通機関や病院などの施設では着用義務が続きますが、この政策について市民の意見は様々です。解除を歓迎する人もいれば、パンデミックが終わっていないのに時期尚早だという人もいて、物議を醸しています。

(引用:설 연휴 뒤 실내 마스크 해제···“해제할 때 됐다”vs“계속 쓰고 다닐 것” (seoul.co.kr) https://m.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20230121500078&cp=seoul&section=society&wlog_tag1=mb_seoul_from_section

まとめ

ウィズコロナで迎える2023年の旧正月は、お年玉や、プレゼントなどの値段を抑えたものを購入する傾向がみられました。特に食料価格が大幅に高騰し、旧正月料理も簡素化したものを準備する人が増えました。
そして今年の旧正月のトレンドにもなった日本旅行。入国制限緩和、円安の影響で、日本旅行の需要はこれからもかなりの期間続くと予想されています。

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