韓国で少子化問題が深刻化!経済的負担や育児休暇の問題点とは?

東アジア

2022年の韓国の合計特殊出生率は0.78%となり、世界最低ランクになりました。この問題の背景には、物価高騰による「経済的負担」、男女間の「家事格差」、そして育児休暇の取得が難しいことが挙げられます。これに対して、政府は育児・教育・介護などの負担軽減や、子どもの産み育て支援を強化し、少子化の文化的要因も見直し対策を考える必要があるとしています。この問題については、インターネット上でも議論が起こっており、さまざまな意見が出ています。

韓国:世界最下位になった合計特殊出生率 国民の反応と今後の対策は

   著者:韓国gramフェロー 田中 桃子
公開日:2023年5月11日

韓国の合計特殊出生率が世界最下位に

2022年の韓国の合計特殊出生率が0.78%を記録し、世界で最低ランクになりました。首都ソウルは0.59%と国内で最も低い数値を記録しました。韓国の合計特殊出生率は2016年から7年連続で低下しており、2070年までには韓国の人口が3800万人にまで減少するという予測もあります。

また、結婚件数も減少しており、昨年の結婚件数は19万2000件と、これも過去70年間で最低の数となりました。

(引用元:한국의 뉴스 채널 YTN (채널24) https://m.ytn.co.kr/news_view.amp.php?param=0102_202302231720513798

出生率減少の背景

7年連続で減少し続ける韓国の合計特殊出生率、その理由を大きく3つに分けて紹介します。

経済的負担
少子化の原因として最も多くあげられるのが、物価高騰で生じた「経済的負担」です。韓国では結婚後に家や車を購入するというのが一般的なので、不動産価格の高騰が激しい現在は費用をためてから結婚すること自体が難しいという社会背景があります。

さらに、学歴社会の韓国では、ほぼ全員が小学生の頃から塾に通うため、高額な教育費がかかります。これらが結婚、出産の妨げになってしまっているのです。

男女格差
次に大きく挙げられるのは男女間の家事格差です。昔から家父長制が深く根付いた韓国では、出産・家事・育児は女性の仕事という考えが強く、女性の負担が大きいという問題があります。最近では共働きの夫婦がほとんどですが、女性は家事や育児、介護など無給労働が多いため、多くの女性たちが結婚にマイナスイメージをもっているようです。

(引用元:CNN이 꼽은 한국사회 저출산 원인 3가지 확인해보니 | (ekoreanews.co.kr)
https://www.ekoreanews.co.kr/news/articleViewAmp.html?idxno=64170

取得が難しい育児休暇
育児休暇の取得が困難なことも出産率低下の原因のひとつです。育児休暇は存在しますが、職場復帰後の不安や、周囲の目を気にして育児休暇を取得したくてもしづらいという背景があるそうです。

また、昨年韓国の大手ポータルサイト「NAVER(ネイバー)」を運営するネイバー株式会社で、育児休暇復帰後に不当な扱いや嫌がらせを受けた女性が、自ら命を絶ったという事件も起きています。

(引用元:”육아휴직 했다고 차별” 네이버 워킹맘, 극단선택…노동부 수사 – 머니투데이 (mt.co.kr)
https://m.mt.co.kr/renew/view_amp.html?no=2023042008120871398

インターネット上の反応

インターネット上で見つけた出生率低下についての意見を紹介します。

 ・子どもを作る以前に結婚をする気がない
 ・恋愛はするが結婚をする気はない
 ・イタリアのように子どもが生まれたら税金をなくすなどしないと誰も子どもをつくりたがらない
 ・熱心すぎる教育環境を改善する必要がある。
 ・ドラマではあんなに恋愛するけど、なんでこんなに低い出生率になるのか研究してほしい。
 ・物価は上がって給料は上がらないのに、誰が子どもをつくろうと考えるのか?

インターネット上にはネガティブな意見がかなり多く出回っていましたが、「私は出産しているのに、ほかの女性たちはなぜ子どもを産まないのか。」、「生活は大変だが、子どもがいる生活は楽しい」などの意見も少し目にすることができました。

筆者の韓国人の友人も、子どもを産むどころか結婚をする気がないという人が多くいます。経済的負担以外にも、義理の両親、ママ友との付き合いが面倒だという理由もあるそうです。

低出産の対策

韓国政府の公式サイトでは低出生率への対策を紹介しています。主な内容は「出産前の妊娠期間中から使える育児休暇」、「1年間の間に10日使える育児有給休暇」、「子どもの小学校入学時に10時出勤にできるフレキシブルな労働時間」、「男性の育児参加を早期定着させるための家事労働の性別分業実態調査」などがありました。

ユン大統領は今回の合計特殊出生率の結果を受け、「政府が育児や教育、就労、住居の安定、養育費の負担軽減など、子どもの産み育て支援を強化し、少子化の文化的要因も見直し対策を考える必要がある」と述べています。

(引用元:저출산 대책 – 정책뉴스 | 뉴스 | 대한민국 정책브리핑 (korea.kr)
https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148867671#policyNews

まとめ

韓国の2022年の合計特殊出生率は0.78%となり、世界最低ランクになりました。低い出生率の原因は「経済的負担」「男女格差」「育児休暇取得の難しさ」にあり、韓国のユン大統領は、育児・教育・介護などの負担軽減や、子どもの産み育て支援を強化し、少子化の文化的要因も見直し対策を考える必要がある」と述べています。

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