本開催までもうすぐ!2024年の欧州文化首都はエストニアのタルトゥ
ヨーロッパ内ではEUに属する国全体で行う大規模なイベントが複数ある。その数ある中のイベントの一つが「欧州文化首都」というもの。約40年の歴史を持つイベントの今年の開催地にエストニアの都市、タルトゥが選ばれた。本格的にイベントが始まるまで100日を切った今、街はどのようになっているのか。現地の様子を企画されているイベントの内容とともに紹介する。
本開催までもうすぐ!2024年の欧州文化首都はエストニアのタルトゥ
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年11月24日
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欧州文化首都とは
1985年から始まったEU全体のプロジェクトで、これまで60の都市が選ばれてきた。毎年EU内から数都市が選ばれ、選ばれた都市では文化芸術に関連するイベントが年間を通して企画される。ちなみに、2023年の欧州文化首都はハンガリーのヴェスプレーム、ギリシャのエレウシス、ルーマニアのティミショアラの3都市が選ばれている。どこの都市も有名観光地とは異なり、少しマイナーめな都市である。しかし、何もしなくても観光客が集まる有名な都市だけでなく現地の雰囲気が漂う都市にもスポットがあたるのは、「文化首都」プログラムの醍醐味だろう。2024年に選ばれたタルトゥも、人口わずか10万人ほどの都市で決して有名観光地ではない。
(参考:Culture and Creativity (europa.eu) :European Commission European Capitals of Culture
https://culture.ec.europa.eu/policies/culture-in-cities-and-regions/european-capitals-of-culture)
経済効果
日本では全くと言っていいほど知られていないイベントだが、経済効果はどのようなものだろうか。欧州文化首都に選ばれることによるメリットを2016年の例からみてみる。
2016年の調査によると、文化首都に選出されることは都市再生と都市発展の両方の効果があるとのことだ。優勝都市(同年に選出された文化都市の中で一番に選ばれること)は他都市と比べてGDPが4.5%も上昇することが報告された。
2015年に選出されたモンス(ベルギーの都市)では、モンスに投資された1€が地元経済に5.5€~6€をもたらしたというデータもある。
このように地元経済に大きなメリットがあるため、誘致や開催に向けて各都市は長期間をかけて戦略を練っているのだ。
(参考:Europian Parliament European Capitals of Culture (europa.eu)(PDF)
https://www.europarl.europa.eu/RegData/etudes/BRIE/2019/644196/EPRS_BRI(2019)644196_EN.pdf)
開催予定地のタルトゥの様子
人口40万人の最大都市タリンが「政治と商業」の中心とすると人口10万人の第二の都市タルトゥはエストニア最古の大学もあり「学問と文化」の都市と言える。
2024年の欧州文化首都がタルトゥに決まったのは2年以上前のこと。2022年の秋には既にそれを知らせるオブジェが市庁舎前に置かれていた。
大きな赤い「Tartu2024」というオブジェは、市内の公共交通に乗っているとちょうど見える良い位置に配されており、ピンクのかわいい市庁舎の写真を撮ろうとするとフレームに入る。
本開催日は2024年1月26日だが、先日10月中旬に小さなイベントが行われた。
タルトゥ市の中のおしゃれで個性的な店が集まるAparaaditehas(アパラーディテハス)と呼ばれる地区内に仮設ステージが組まれ、音楽やダンスなど多岐にわたるパフォーマンスが行われた。
(画像出典元:Facebook Tartu 2024 – 19. oktoobril sadas Tartus sel sügisel esimest korda… | Facebook
https://www.facebook.com/Tartu2024/)
(引用元:wiki:エストニアの都市の一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/
)
今後の展開
タルトゥでのイベントが本格的に始まるのは2024年になってから。しかしながら、2023年内にも本イベントへの参加を誘導するような小さなイベントが複数回予定されている。11月中旬にはエストニアのお隣フィンランド・ヘルシンキで欧州文化首都2024のプロモーションイベントが予定されている。ヘルシンキにある図書館にエストニアのアーティストを招いてイベントを行うそうだ。イベントの詳細やスケジュールはHPとFacebookから確認できる。
国と国同士が近いからこそ、国を超えたプロモーション活動が行うことができ、本イベントへ観光客を招く手段のひとつとなる。
約40年の歴史ある欧州文化首都というイベント開催地に選ばれた都市はたくさんあれど、エストニアはプロモーションに何年も前から取り組んできた。本開催前から盛り上がりを見せる欧州2024、本開催ではどのようになるか楽しみである。