長い夏休み明け、新学期のスタートは花とともに|ラトビア
9月最初の月曜日は、ラトビアを含むヨーロッパでは新学年の始まりの日だ。ラトビアではこの日に花を持って登校する習慣があり、街中の随所で花を持った子どもと親の素敵な光景が見られた。同時に、親たちは長い夏休み期間が終わり、ついに子どもの世話から解放された。
長い夏休み明け、新学期のスタートは花とともに|ラトビア
著者:ラトビアgram fellow さえきあき
公開日:2024年10月29日
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秋が新学年の始まり
大学の始業日は国によって異なるが、ヨーロッパの小中高はほとんどが9月最初の月曜日からスタートする。
ラトビアだけではないが、いくつかの国ではこの新学年がスタートする日に花を持って登校する習慣がある。持参した花は教師に贈られる。一説によるとこれはロシアの習慣で、その影響がヨーロッパのいくつかの国に出ているらしい。9月1日が「Wisdom day(知恵の日) またはKnowledge Day」と呼ばれており、それが関係しているそうだ。日本の入学式と似ているようで、親子そろって改まった服装をして学校に向かい、式中に歌ったりもするそうだ。
新学期が始まって嬉しいのは子どもたちだけではなく、長い夏休みを乗り越えた親の多くも「やっと終わった」とホッとしているのだ。
長すぎる北国の夏休み
ヨーロッパと言えば夏休みが長い、というイメージがあるが、その長さは地域・国によって大幅に異なる。
北国の夏休みが異常に長く、他はそれと比べると可愛いものだ。夏休みが長い地域では、他の季節の休暇がとてつもなく短い。例として、フランスの春休み(2024/2025年版)は州によって時期に違いあれど約2週間あるが、ラトビアの春休み(2024/2025年版)は1週間のみ。このように、夏休みが長いおかげで他の休みが短縮されている。
冬場が長いため、休みをもらったとて外でできるアクティビティはウィンタースポーツが主である。金銭的余裕がある人達は南の国や東南アジアへ行って肌を日焼けさせて帰ってくるのだが、全員がその余裕があるわけではない。パリオリンピックで話題になっていたように、昔は涼しいといわれていたヨーロッパも近年は温暖化の影響により、エアコンなしで夏を乗り切ることが難しくなっている。しかし北国の夏はまだエアコンなしで過ごせる。冬で外に出られなくなる前に夏にたくさん遊ばなければ、という精神性からくるのかもしれない。
夏休み中のこどもたちは何をしているのか
こうも夏休みが長いと親たちはどう対応するのかというのが気になる。大人も夏休みを取得できるが長くて1ヶ月のため、一緒に何かするのにも限界がある。専業主婦が少ないため、仕事に行っている間に子どもたちが手持ち無沙汰にならないようにするため、親たちは子どもをサマーキャンプに送り出す。
キャンプの種類も様々でスポーツキャンプ、英語キャンプ、サイエンスキャンプ、ガールズキャンプなど多岐にわたり、費用も期間もそれぞれ異なる。長いものだと2-3週間にわたって開催される。高額で期間の長いものだと大学の半期の学費(=1000€程)と同等レベルの参加費が求められる。さすがにそこまで高額になると参加できる子どもは限られてくるが、1週間程度のキャンプであれば中流家庭も参加できる金額に設定されている。そのため、夏休みに退屈していた子どもたちに楽しみを与えつつ、家から一時的にいなくなってもらって親たちも息抜きを満喫する、という仕組みになっているらしい。
まとめ
ラトビアでは長い夏休みが終わると、9月最初の月曜日に新学期が花と共に始まる。子どもたちは教師への感謝を込めて花を持参し、街は華やかな雰囲気に包まれる。ヨーロッパの北部地域では、長い夏休みは厳しい冬を前にした貴重な期間であり、その間退屈やマンネリ化を避けるために子どもたちはサマーキャンプに参加し、親たちは一時的に子どもの世話から解放される。親子そろって始業式を待ちわびていていたことには変わりない。
【参考】
◇Jakub Marian’s Educational Blog:
https://jakubmarian.com/school-holidays-by-country-in-europe-map/
◇France School Holidays 2024 and 2025 │ Public holiday global:
https://publicholidays.fr/school-holidays/
◇Latvia School Holidays 2024 and 2025 │ Public holiday global:
https://publicholidays.lv/school-holidays/