【最新情報】コロナ禍のアメリカ入国について解説(2022年2月1日現在)

アメリカ

米国政府は2020年12月より新型コロナウイルスワクチンの接種を開始し、新規感染者数の減少に合わせ、段階的に経済活動を再開してきました。これに伴い、屋外でのマスク着用が免除されるなど、制限の緩和が加速していましたが、2021年7月より南部を中心に新規感染者が急増。政府は、デルタ株の蔓延に伴って、ワクチン接種の有無を問わず、屋内でのマスク着用を要請しました。ハワイなど一部の州・地域では外出や集会について厳しい措置を講じており、市民に感染対策の遵守を求めています。
また、ニューヨーク市、ロサンゼルス郡、ハワイ州など一部の自治体では、屋内の施設や飲食店などの利用者に対し、ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)の提示を義務化しました。承認される証明書は各自治体によって異なっており、新型コロナウイルス検査の陰性証明書を提示することで利用が認められる場合もあります。

2021年11月8日より、国外からアメリカへ入国する18歳以上の渡航者は、ワクチン接種完了が必須となりました。渡航する場合は、滞在する州における最新情報をご確認ください。

本記事では現状でのアメリカへ入国する際に必要となる手続き等について解説します。

*入国に関する条件等には政府指示のもと変更がある可能性がありますので、必ず最新情報をご確認ください。
(本記事は、2022年2月1日の時点での情報をもとに構成しております。)


コロナ禍のアメリカ入国について解説

  著者:gramフェロー 
公開日:2022年2月1日

1. アメリカへの入国・日本への帰国

<アメリカへの入国>
現地時間の2022年1月30日現在、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は日本の感染警戒基準をレベル3「感染リスクの高い地域」に指定しており、アメリカと日本を往来する渡航者に対し、引き続き警戒を呼び掛けています。
アメリカ政府はESTA(エスタ)による渡航を認めていますが、日本を含む国外からの渡航者は州や地域で施行されている規制の遵守が必要です。ワクチン接種の有無を問わず、大半の州では屋内でのマスク着用を要請されています。また、集会に関する人数制限を設けていたり、施設へ入場する際に証明書の提示を義務付けていたりする州や地域がありますので、渡航を予定している方は事前に確認をお願いします。
詳しい渡航前手続きについては、「2.どんな人がアメリカに入国できるの?」及び「3.渡航前に必要な手続きについて」であらためて解説します。

<日本への帰国>
2022年2月1日現在、日本政府は、アメリカ合衆国に対し、感染症危険レベル「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の発出を行っています。

現在では、海外からの入国者は全員、国籍を問わず、以下が必須となります:

1.出国前72時間以内に受けた検査(陰性)証明書の提出
2.検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書(公共交通機関の不使用、自宅または宿泊施設での待機、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入等について)の提出
➝オミクロン株が支配的になっている国・地域(現時点では全ての国・地域)からの帰国者・入国者について、上記自宅待機などの期間が14日から10日に短縮(2022年1月15日日本時間午前0時より)
➝オミクロン株以外の変異株が支配的となっていることが確認されている国・地域については別途指定され、当該国・地域については、自宅待機などの期間が14日間
3.スマートフォンの携行、指定アプリの登録・利用
4.質問票の提出

なお、オミクロン株対応の水際対策強化に係る措置として、以下がとられています:

1.外国籍の方の新規入国について
2021年11月30日日本時間午前0時より、すべての外国人の新規入国等を、11月8日から例外的に認めてきたビジネス目的の短期滞在者や留学生、技能実習生を含め、2022年2月末までの間禁止(「特段の事情」がある場合を除く)。
2.発給済み査証の効力の停止
2021年12月2日から、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」又は「外交」の在留資格を取得する方以外の外国籍の方に対し、12月2日より前に発給済みの査証の効力を一時停止。
3.外国人の再入国の解除
日本への上陸申請日前14日以内にアンゴラ、エスワティニ、ザンビア、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビーク又はレソトに滞在歴がある方は、2021年12月2日から、コンゴ民主共和国については12月12日から、再入国が許可されていなかったが、令和4年1月12日0時以降、再入国禁止措置は解除。
4.検疫の強化
令和4年1月29日午前0時(日本時間)からは、入国後の自宅等待機期間が変更となった。
なお、アメリカについては、アメリカ国内でオミクロン株感染者が急増していることを受けて、日本政府はアメリカ全土及びグアムを「水際強化措置に係る指定国・地域」および「オミクロン株に対する指定国・地域」に指定。アメリカから帰国する方は、検疫所が指定する宿泊施設にて6日間(ニューヨーク州、ハワイ州、イリノイ州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州)または3日間(上記7州以外のアメリカ国内、グアムを含む)の待機が求められることになった。

また、外国籍の方の2021年11月30日日本時間午前0時以降の帰国者・再入国者等については、有効なワクチン接種証明書保持者に対する行動制限緩和措置の対象外となりました。

アメリカから帰国・入国する方に義務付けられている措置(ワクチン接種の有無を問わない):

  • 1.検疫所指定の宿泊施設にて、3日間または6日間の待機を要請(入国翌日から起算)
  • 2.入国翌日から3日目及び6日目に新型コロナウイルス検査を実施(両日とも陰性が証明された場合のみ退出が許可される)
  • 3.退出後は、自宅等にて自己隔離を実施(入国翌日から起算して7日間)
    ※2022年1月29日より、帰国・入国後の自己隔離期間が従来の10日間から7日間に変更。

アメリカから帰国する際の注意点や陰性証明書の取得など詳細については、下記ウェブサイトをご確認ください:
◇外務省:海外渡航・滞在「新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html#section11

◇ESTA:2022年1月最新 新型コロナウイルス アメリカ入国制限と対象国の最新情報
https://esta-center.com/news/detail/990100.html#sec_japan

今後の状況により、条例や措置に変更が発生する場合がありますので、渡航・帰国の際には必ず最新情報の収集を行ってください。

2. どんな人がアメリカに入国できるの?

アメリカへの入国にはビザ(査証)が必要ですが、日本国籍の渡航者は、90日以下の短期商用または観光目的の滞在であれば、ビザ免除プログラムを利用してビザ無しでの渡航が可能です。ビザ免除プログラムを利用して渡米するには、米国行きの航空機や船への搭乗前にESTA(電子渡航認証)を取得する必要があります。ESTAは遅くとも渡米日の72時間以上前までに申請しておくことが推奨されます。ESTA申請料は14ドルで、申請サイトを通じてクレジットカードで支払いが可能です。認証されたESTAの有効期限は2年間で、アメリカへ複数回渡航することができます。

ビザ取得が必要な場合は、アメリカ合衆国大使館(東京)もしくは総領事館(札幌、大阪、福岡、沖縄)にて申請が可能となっています。
また、東京米国大使館および大阪総領事館では郵送でのビザ申請を受け付けており、現在、所有しているビザの期限が有効、または失効から48か月以内であることを条件に、同一のビザ申請または更新が認められています。ただし郵送でのビザ申請を行うには、一定の資格を満たしていることが必要となります(措置は2022年12月31日まで適用)。詳しくは、下記をご参照ください。

在日米国大使館と領事館 ビザサービス:https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/
◇ESTA「郵送でのビザ面接予約とビザ申請の注意点(2022年1月5日改定)」:https://esta-center.com/news/detail/990100.html#sec_visarestart

3. 渡航前に必要な手続きについて

2021年11月8日より、米国市民、米国永住者及び移民ビザ所持者を除くすべての米国への渡航者は、米国行きの飛行機の搭乗前に、新型コロナウイルスワクチン接種完了証明書を提出することが必要となりました。
この新しい入国制限に伴い、これまで入国禁止の対象となっていた30余りの国や地域からの渡航者は、ワクチン接種完了を条件として入国が可能となりました。
アメリカへ入国する18歳以上の渡航者は、航空機へ搭乗する際、以下2点の提示が求められます(英文での記載が必須):

  • 1. 新型コロナウイルスワクチン接種完了証明書(自治体や医療機関が発行した公的な海外渡航用ワクチン接種証明書、紙・デジタルいずれも可能)
  • 2. 新型コロナウイルス検査による陰性証明書(出発前1日以内:2021年12月6日より)

また、アメリカ滞在時の連絡先の情報提供についても、渡航前に航空会社への提出が義務付けられました。
2歳から17歳の渡航者は、出発前1日以内に行った新型コロナウイルス検査による陰性証明書のみで入国が認められます。健康上の理由などでワクチン接種ができない18歳以上の渡航者は、出発前1日以内に行った新型コロナウイルス検査による陰性証明書の取得が求められます(例外規定については、下記CDCウェブサイトを参照)。
また、過去に滞在した国や地域により、入国後の自己隔離や新型コロナウイルス検査を求められる場合がありますので、該当される方は入国審査官や保健当局の指示に従い、行動制限の遵守が必要です。

◇米国疾病予防管理センター(CDC)新型コロナウイルスワクチン接種義務化についての詳細(英語):https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/travelers/proof-of-vaccination.html#noncitizen 

◇米国疾病予防管理センター(CDC)例外規定とその該当者の扱い(英語):https://www.cdc.gov/quarantine/order-safe-travel/technical-instructions.html#anchor_1635182986972 

アメリカへ渡航する前に準備が必要な項目は、以下の通りです

1.ESTA(電子渡航認証)の申請及び取得:前項を参照
2.航空券の手配(利用航空会社への米国滞在中の連絡先情報の提供を含む)
3.海外旅行保険加入の確認:滞在時の事故・病気やケガのリスクに加えて、現在では、新型コロナウイルスに感染した場合、滞在国の規定に沿った検査や隔離が必要となり、費用は自己負担となるため、海外旅行保険の加入、または補償の内容の再確認が推奨されます。
4.PCR検査の陰性証明書(英文)の取得:満2歳以上が対象で、出発前1日以内の新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書(紙またはデジタル)の提示が必要(2021年12月6日より)。
5.宣誓書の提出:「要件を満たす陰性証明を取得したこと」または「新型コロナウイルスから治癒し、渡航に支障がないと診断されたこと」の宣誓書(Attestation)を搭乗前に航空会社に提出する必要があります。これは2歳以上の全ての渡航者が対象となり、渡航者ごとの提出が必要となります。2~17歳の渡航者については、法律により別途認められている場合を除き、親またはその他権限のある方が宣誓書を提出します。また、肉体的・精神的な障害等によって渡航者本人が宣誓できない場合は、近親者・法定代理人・旅行代理店などの権限ある方が本人に代わって提出することができます。

宣誓書テンプレート(英文):https://www.cdc.gov/quarantine/pdf/Fillable-Attestation-English-508.pdf
6.健康申告(オンライン):一部渡航先のみ必要となっており、現在ではロサンゼルス市への渡航に際し事前申告が必要となっています(16歳以上が対象)。
ロサンゼルス市政府ホームページ オンライン健康申告フォーム:https://travel.lacity.org/

4. アメリカ入国時の検疫・制限措置など

https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12849#form

米国疾病予防管理センター(CDC)は、米国内旅行後の検査および自主隔離の必要性などについて、主に以下のように推奨しています。
米国疾病予防管理センター(CDC)|Domestic Travel During COVID-19

各州・地域ごとに推奨事項・要件が異なるため、必ずあらかじめ確認したうえで渡航準備を行う必要があります。

5. アメリカ国内の新型コロナウイルス感染状況

https://www.nytimes.com/interactive/2021/us/covid-cases.html

2022年2月1日現在、ロイターのCOVID-19Trackerサイトによると、アメリカでの感染者数は減少傾向にあり、平均で一日あたり510,207人の新規感染者が報告されています。
新型コロナの世界的大流行が始まって以降、アメリカで報告されている累計感染者数は74,317,6451人、死者数は887,783人が報告されています。
ニューヨーク・タイムズのウェブサイトによると、2022年1月31日時点でワクチンを一回以上接種した人は全人口比で75%、必要回数のワクチン接種を完了した人は64%となっています。ただし、ワクチン接種率は州によって異なっており、最も低い州は南部と西部に多く、高い州は北東部が中心となっています。

関連リンク

◇ESTAオンラインセンター【2022年1月最新】新型コロナウイルス アメリカ入国制限と対象国の最新情報:https://esta-center.com/news/detail/990100.html#sec_intro
◇在アメリカ合衆国日本国大使館 新型コロナウイルス関連情報:https://www.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid-19.html#4 
◇外務省海外安全ホームページ アメリカ合衆国:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_221.html#ad-image-0
◇アメリカ(米国)渡航情報:https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12849#entry_restrictions
◇アメリカ(米国)出入国情報:https://townwifi.com/aftercorona/country/america/
◇アメリカ合衆国国土安全保障省 ESTA申請サイト:https://esta.cbp.dhs.gov/
◇ロイターズ COVID-19 トラッキングサイト:https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/united-states/

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