アメリカでも緑色に染まる?セントパトリックデーを体験してみた!

アメリカ

アイルランドの守護聖人、聖パトリックを讃えるイベント、セントパトリックデーが毎年3月17日に行われます。アメリカ北西部では特別な休暇はないものの、緑色の装飾や料理、飲み物などで祝われます。一方、北東部では大規模なパレードが開催され、街を緑色に染めるなど活気づいています。今回はセントパトリックデーに関するあれこれをシェアしていきたいと思います。

アイルランドの守護聖人を讃える!セントパトリックデーの魅力とは?

    著者:シアトルgram fellow 土師 恵
公開日:2023年4月9日

セントパトリックデーってなんなの?

毎年3月17日はセントパトリックデーです。

カレンダーにはセントパトリックデーと記されていますが、筆者が住んでいるアメリカ北西部では特に休みになったりはしていません。子どもは学校へ、大人は仕事に行きます。
キリスト教系のイベントで、アイルランドにキリスト教を伝えたとされる聖パトリックの命日を祝う日です。

街は緑の飾り付けがなされ、三つ葉のクローバーをかたどった様々なもので溢れます。
緑色の食べ物を食べたり、緑色の飲み物を飲んだり、アイルランド料理を食べたり、ギネスビールなどアイルランドの飲み物を飲んだりします。

北西部ではそれくらいなのですが、北東部ではもっと盛り上がります。

シカゴ、ニューヨーク、サバンナ(ジョージア)、フィラデルフィア、カンザスシティ、ボストン、サンフランシスコ、ヒューストン、クリーブランド(オハイオ)、ニューロンドン(ウィスコンシン)辺りでは大規模なパレードが毎年行われます。

緑色の衣装に身を包んだ人が街を練り歩いたり、川を緑に染めたりとにぎやかです。
ボストンでは、アメリカがイギリスから独立する前からパレードを行っているそうです。
やはりアメリカ北西部よりも、どちらかというと北東部で活気のあるイベントです。

なぜ北東部のエリアの方が盛り上がるのか?

昔、ヨーロッパからの移民は船でやってきました。そして、アメリカ大陸の東側に到着します。

有名な歴史で例を出すと、1620年、メイフラワー号に乗った41人のピルグリムファーザーズがアメリカにやってきました。ピルグリムファーザーズとは、キリスト教の中でもピューリタンと呼ばれる派閥の人たちです。

当時、ヨーロッパではジェームズ1世がイングランド、スコットランド、アイルランドの王様を兼ねていました。ジェームズ1世はイギリス国教会のみを宗教と認めていたようで、ピューリタンは弾圧を恐れました。彼らは宗教弾圧を避けるため、新天地を求めてアメリカにやってきました。
船が到着したのがニューイングランド地域、開拓したのがプリマス地域と、どちらもアメリカの北東部です。

アイルランド人の祖先を持つ人は多いのか?

最初は東海岸のみに移住したピューリタンでしたが、一部の人たちは徐々に内陸に移動しました。
当初、移民はイングランド人が多かったそうですが、1625年以降アイルランド人やスコットランド人も増えていきました。

東部はイングランド人がすでにコミニュティを作っていて、アイルランド人は東海岸からほんの少しだけ内陸部に足を進めたようです。
ここからは現在の話で、純血、混血を含めるので”人”ではなく”系”と表記します。

アメリカ国内でアイルランド系が1番多く住む地域はニューハンプシャー州で、州全体の20.2%、約27万人でした(2022年調べ)。

これはニューハンプシャーに住む人の5人に1人がアイルランド系という計算になります。
その他、マサチューセッツ、ロードアイランド、バーモント、メイン、ペンシルベニアと、やはり北東部に集中しています。
また、1番アイルランド系が少ない州はハワイ州で、州全体の4.3%の約6万人でした。

アメリカ全体で3100万人以上の人がアイルランド系といわれています。
イングランド系は2500万人以上でスコットランド系は2000万人から2500万人といわれているので、この3つを比べるとアイルランド系の人口は多いようです。

現在アメリカでは、ヒスパニック(メキシコ系)が6000万人、アジア系が1900万人、アフリカ系が4000万人と白人以外の人種が増えています。
アメリカに住む人種の割合が白人より黒人やヒスパニックが多くなったと少し前に話題になりました。

北西部のセントパトリックデー

北東部ほどの盛り上がりはありませんが、北西部でもセントパトリックデーを楽しみにしている人が多いです。筆者のまわりでは、職場のランチタイムにポットラックパーティー(持ち寄りパーティ)をする会社がありました。

アイルランド料理や緑の食べ物を持ち寄ります。
アイルランド料理はジャガイモをよく使うので、筆者はジャガイモ、タマネギ、ベーコン、ソーセージを黒ビールで煮たものを作り、ポットラックパーティに持って行きました。アイルランド風肉じゃがといった感じで簡単に作れて美味しいです。アイルランドの食事は日本人の口に合うと思います。
パイ生地にひき肉を敷き、その上にマッシュドポテトを乗せてオーブンで焼いたシェパーズパイなどもとても美味しいです。

(レシピ引用元:Mrs Happy Homemaker :ダブリンコーデル https://www.mrshappyhomemaker.com/dublin-coddle

今年のセントパトリックデーでは、アメリカ全体で約69億ドル(約9000億円)のお金が動きました。
一人当たりの平均は約44ドル(約5800円)だったそうです。
(※1ドル132円換算)

データ上はアメリカ人の8割がセントパトリックデーを祝ったことになります。
キリスト教徒がアメリカ全体の6割強といわれているので、数字を見たところ、クリスチャンだけでなく他教徒の人も、セントパトリックデーを楽しんでいるようです。

まとめ

アメリカの雑誌などを見ると、アメリカやアイルランドだけでなく世界中にセントパトリックデーが広がっているとありますが、日本はいかがでしょうか。

来年のセントパトリックデーに向けて今から準備をするのも面白いかもしれません。

御社のビジネスのヒントになれば幸いです。

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