マクドナルドが敗北?フィリピン発祥の人気ファーストフード店ジョリビーの快進
ジョリビーとは、1953年にフィリピンで生まれた起業家トニー・タン・カクティオンが創業したファーストフードチェーン店で『フィリピンの国民食』として愛されています。親しみやすい黄色いハチのキャラクター『ジョリビー君』は店舗の看板やCM・広告に登場していて、子どもからお年寄りまで親しまれています。
2023年現在においてもジョリビーはフィリピンのファーストフード業界を代表する存在であり、国内において、その規模はマクドナルド(ph)を大きく上回る成功を収めています。そんなジョリビーの快進撃についてお話します。
マクドナルドが敗北?フィリピン発祥の人気ファーストフード店ジョリビーの快進
著者:フィリピンgramフェロー アルト
公開日:2023年 9月4日
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フィリピン国内でのジョリビーとマクドナルドの市場規模の比較
世界のファーストフードの約10%(約1.4兆円)を占めるマクドナルド、2022年には前年比5.9%増の98億ドル(約1.48兆円)と、過去最高を記録しましたがここフィリピンではジョリビーに大きく突き放されている状態です。
年間売上・店舗数
ジョリビーはフィリピン全土に1,204店舗、自社店舗とフランチャイズ店舗の両方で売上高は854億9000万ペソ(15億400万ドル)、マクドナルド(ph)はフィリピン全土に655店舗、売上高は350億ペソ(6億1500万ドル)となっています。
レストラン名 | 店舗数 | 売上高 |
ジョリビー | 1,204 | 854億9000万ペソ(15億400万ドル) |
マクドナルド | 655 | 350億ペソ(6億1500万ドル) |
売り上げの推移
ジョリビーは全売上を測定するシステム全体売上(SWS)が2021年の731億5000万ペソから2022年は854億9000万ペソで16.9%増加しています。マクドナルド(ph)はStock ANALYSISの予測より2021年の305億ペソから2022年は350億ペソと既存店売上高は12.6%増加となっています。
(引用元:BusinessWorld https://www.bworldonline.com/corporate/2023/08/10/538812/jollibee-says-q2-net-income-falls-16-6-to-p2-33-billion/)
今後の店舗拡大推移
ジョリビー・フーズ・コーポレーションは積極的に新店舗をオープンし、2023年には190億ペソもの資金を投じる予定であり、2023年には過去最高を上回る600店舗もの出店を目指していると述べています。
フィリピン国内のマクドナルド店舗網を現在の約700店舗から1,000店舗にすることを目標としており、2023年度はフィリピン全土で50店舗拡大を表明しています。
(引用元:InsideRetail https://insideretail.asia/2023/03/20/jollibee-foods-corporation-gears-up-to-open-600-stores-this-year/)
海外進出の実情
国内ではマクドナルド(ph)を大きく突き放す快進撃を続けるジョリビーですが、世界的なファーストフード店となるべく海外進出でも大きな成果を上げています。
ジョリビーの社長兼最高経営責任者アーネスト・タンマンションは海外事業は 20.9% 増加したと述べています。売上高は前年同期の520億5000万ペソから16.8%増加し、607億9000万ペソとなりました。タンマンション氏は「我々の目標は、フィリピン企業のJFC(ジョリビー・フーズ・コーポレーション)を真のグローバル企業にすることだ」とし、現在、収益の約 60% 以上はフィリピン国内になるが、2027年には海外売上高がジョリビーの売上の半分を占めるはずだと述べています。
また過去5年間にわたり、ジョリビーは米国のスマッシュバーガーやザ・コーヒービーン・アンド・ティーリーフ、台湾のミルクシャバブルティーブランドなどの外国チェーンを買収しており、特に米国と中国で積極的に成長することで今後5年間で事業を倍増させることを目指しています。
(引用元:BusinessWorld https://www.bworldonline.com/corporate/2023/08/10/538812/jollibee-says-q2-net-income-falls-16-6-to-p2-33-billion/)
まとめ
ジョリビーは2022年末にフィリピン全土に1,204店舗、海外出店店舗数は378店舗(米国、カナダ、グアム、イタリア、英国、ベトナム、ブルネイ、香港、シンガポール、マカオ、マレーシア、スペイン、中東)となっており、今後もさらなる増益増収を見込んだ事業拡大が行われると予想されます。
また日本で労働しているフィリピン人は全国で27万人以上いるとされ、今後日本へのジョリビー進出も注視されています。フィリピン発祥の人気ファーストフード店はやがてマクドナルドと台頭して真の意味での世界的なファーストフード店になるのか、今後の改進に更に注目が集まります。