バドミントンがマレーシアで国民的スポーツになった理由とは?

マレーシア

日本の国民的スポーツといえば野球やサッカー、そして古くは相撲などが挙げられます。これらのスポーツからは多くの国民的英雄が誕生しています。

では、マレーシアの国民的スポーツは何でしょうか。

それは「バドミントン」です。子どもから大人までが情熱を注ぐスポーツとなっています。レッスンスクールも数多く存在し、コートの予約は常に満杯です。日本でも桃田選手など強力な選手の活躍によって、バドミントンは以前よりもメジャーなスポーツとなりました。

そこで、今回はマレーシアのバドミントン人気についてご紹介します。

マレーシアの国民的スポーツ「バドミントン」   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年6月15日

バドミントンの人気度

マレーシアのクアラルンプールでは、バドミントンが男女ともに好きなスポーツ1位に選ばれています。男性の62.7%、女性の59.4%が好きと答えています。

(出所:博報堂調査)

特に中華系の国民の間では圧倒的な人気です。
近年人気有名選手が出たからというのもありますが、実は結構昔からマレーシアではバドミントンが人気で盛んだったようです。

バドミントンの国際大会「マレーシアオープン」は1963年のマレーシア独立より前、1937年から開催されていて、バドミントンの世界選手権である「トーマス杯」ではマレーシアの選手が過去に5回優勝しています。
バトミントンは、インド人がペナン島に持ち込み、マレーシア中に瞬く間に広がったと言われています。

バドミントンの試合がある時には、街角にある飲食店のテレビで映して観戦している人々の姿をよく見かけます。我が家のそばの飲食店からも、大型スクリーンで観戦する人達の大歓声がいつも夜遅くまで聞こえてきます。

東京オリンピックでも、バドミントンの試合の時、というかほぼその時のみ各家から歓声が聞こえてきて、大変に盛り上がっていました。

国民的ヒーロー

マレーシアでのバドミントン人気を不動のものにしたのには、ひとりの国民的ヒーローの存在が大きいです。彼の名はLee Chong Wei (リー・チョン・ウェイ)氏です。

リー氏は、マレーシアでオリンピックのメダル数が最も多い選手で、彼は2008年の北京、2012年のロンドン、そして2016年のリオデジャネイロで銀メダルを獲得しています。

この功績によって、彼は「ダト(Datuk:国王から授与される称号)」の称号を獲得し、当時の首相が「国民的英雄」と表現するようになりました。

バトミントンの世界ランキング1位に長く君臨し続けたリー氏の影響力はかなり大きいです。

老若男女

休みになるとたまに近くの公園に行ってバドミントンをしますが、マレーシアでは大概どこに行ってもバドミントンのコートがあります。コンドミニアムにも整備されています。
1時間20リンギット程度で借りられるところが多いようです。

老若男女が楽しく、というか、ほとんど競技といった感じで真剣にプレイしていることが多いのにはびっくりします。

「誘われたからちょっと」なんて軽い気持ちで行ったら大変です。

本当に真剣に挑んでいるので気持ちをそこまで持っていくのが大変です。
モールに入っているスポーツ用品店に行くとラケットが文字通り「ずらりと」並んでいて、バドミントンの人気の高さが一目でわかります。

カラフルなウエアが売られていますが、みんな臆せず買って、それを着込んでオリンピック選手のように挑みます。

Satu Malaysia (One Malaysia)

マレーシアには最近「サトゥ・マレーシア 」というスローガンがあります。意味は「マレーシアをひとつに」です。

マレーシアは多民族国家のため多くの民族・文化が存在します。
この言葉には、それぞれの文化を尊重し、国民としてまとまろうという意味合いが込められています。

バトミントンは、民族の違いを超えて、まさに「マレーシアをひとつ」にすることができる偉大なスポーツなのです。

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