ポストコロナ時代に期待の非対面配達!エストニアのロッカーサービスとは?
ネットショッピングで注文して届いた荷物を、あなたはどうやって受け取っているだろうか。特に理由がない場合、自宅で荷物を受け取るだろう。不在時に届いて自宅に宅配ボックスがない場合は、再配達になることもあるだろう。エストニアでは、ロッカーを使用して非対面で荷物を受け取れるシステムが普及している。オンラインでの買い物が当たり前になりドライバー不足が嘆かれる昨今、このロッカーの活用は良い事例になるだろう。今回はロッカーの使用方法やメリット・デメリットについて説明していく。
ポストコロナの先取り?ロッカーを活用したエストニアの非対面配達サービス
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年5月27日
荷物を送付・受取 どちらもできる専用ロッカー
街中や住居エリアを歩くと写真のようなロッカーを見つけられる。
これこそが、配達に関する煩わしさを緩和してくれる荷物専用のロッカーである。実はコロナになる以前からこのロッカーは使われていて、既に10年の歴史があるそうだ。
この類のロッカーのサービスを提供している会社はOmniva、SmartPOST、DPDなど。写真はOmnivaというエストニアの国営企業の荷物用ロッカーで、バルト三国全てで展開している。3つ全ての機種を利用したが、荷物の受取に関して操作の違いはほとんどない。荷物の送付に関してはまだ機会がなく試したことがないためわからないが、違いはさほどないだろう。
荷物の受取については簡単だ。携帯のSMSに届いたメッセージからロッカーの場所と荷物受け取りのコードの情報を手に入れ、ロッカーのある場所へと向かうだけだ。
筆者は商品購入から荷物がロッカー到着するまで2パターンのフローを経験したため、その2つを紹介する。
荷物を受け取るまでの流れ
1. 購入後、店舗の提携会社が配達する場合
前述したように、国内に非対面配達のサービスを行う運送会社は複数ある。普通にネットショッピングをし、住所欄に自分の住所を記入するだけで、「非対面配達希望」などと特記する必要はない。商品発送元が適当な運送会社を利用して最寄りのロッカーへと届けてくれる。
2. 配達手段を選択できる場合
オンラインショッピングの注文画面に運送会社を選ぶ項目が表示されるパターンがある。荷物受け取りサービス場所により送料が異なるので、利便性で最寄りロッカーを選ぶか、不便でも送料を低く抑えるか選択できるので考慮して選ぶといい。
1.2.どちらも注文後は同じ流れだ。SMSで荷物到着の通知がきて受取をする。受領完了の確認も必要ない。
ロッカーのメリットとデメリット
メリット
最も大きなメリットといえば、再配達に悩まされないことだろう。ドライバーや運送会社にとっても、1軒1軒まわってインターホンを押し、不在だったら不在票を入れるのより、エリアの住民の荷物を1か所のロッカーにまとめて置いていく方が効率もいいし余計なガソリン代を抑えられる。
この荷物用のロッカーは、大抵の場合スーパーの前や商業施設内に設置されているため、買い物ついでに行きやすいことも魅力だ。3言語対応(エストニア語、ロシア語、英語)しており、現地語がまだ不安な人にも優しい仕様になっている。
デメリット
電話番号なしではこのロッカーは使えない。そのため、荷物の送り主が電話番号を荷物に記載しなかった場合、またはネットショッピングの注文時に電話番号の入力項目がなかった場合、自宅に届けられるか郵便局で保管されることになる。
受け取り期限が約1週間であるため、長期旅行で家を空けることになった時は取りに行けないことを覚悟しなければいけない。
まとめ
配達サービスの質は国によって様々で、日本のように指定した時間に正確に配達されることの方が少ないと聞く。時間通りに家にいてもインターホンを鳴らされず、ポストを見ると不在届が入れられていたこともあったと、ドイツに住む筆者の知人がこぼしていた。サービスの提供者と利用者の双方にとって都合がいいシステムの開発によって、エストニアの配達サービスは効率化されている。
便利さを感じる一方で、このような人同士の関与が少ないシステムは、もの静かで関係を構築しづらいエストニア人の国民性を象徴しているに感じることもある。
いずれにせよ、ポストコロナやZ世代と呼ばれる新たな価値観が生まれている現在は、携帯ひとつで済ませられる非対面サービスがより一層重宝されるだろう。