マレーシアの企業ベルジャヤ  横浜みなとみらいの土地を取得

マレーシア

マレーシアのコングロマリット(複合企業)である「ベルジャヤ・コーポレーション」の子会社が、横浜市の土地である「みなとみらい21中央地区62街区(ハーバーエッジ62)」を126億5700万円で取得する売買契約を締結したと、2022年末にマレーシアで大きく報道されました。この土地は、ウォーターフロントエリアにおける最後の未開発地だそうです。
今回はこの報道についてと、マレーシアを代表する大企業「ベルジャヤ」について解説します。

マレーシアの企業ベルジャヤ  横浜みなとみらいの土地を取得   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年2月24日

日本企業との企業グループ

今回「ベルジャヤ」は丸紅と大和ハウス工業とで企業グループを構成し、この土地を取得しました。
ホテルを核に、住居棟や水族館、商業施設を含む複合施設を整備し、国内外からの旅行者を呼び込むことを目指しています。フォーシーズンズホテルをホテルオペレーターに誘致してホテルとコンドミニアムをつくる工事を2023年7月31日に着工、2026年9月30日に完成する予定です。

購入された土地は、2023年9月に開業するKアリーナ横浜の横

「ハーバーエッジプロジェクト」

国土交通大臣は、今回のベルジャヤの「ハーバーエッジプロジェクト」を優良な民間都市再生事業計画として認定しました。これにより、金融支援や税制上の特例措置の支援を受けられることになります。商業施設などの集客施設を整備して新たな観光の拠点とする予定で、横浜市もこの事業において、業務、商業、文化、アミューズメントなど、多様な都市機能による魅力と活気に満ちた街づくりを進めていく計画です。

日本へはホテルで進出

「べルジャヤ」はリゾートホテルの運営や不動産開発を手がけるマレーシアを代表するコングロマリット(複合企業)です。日本における不動産開発では、2016年には「フォーシーズンズホテル京都」を開業し(売却済み)、沖縄県でも「アンサ沖縄リゾート」を2019年12月に開業、現在は「フォーシーズンズリゾート沖縄」の開発を進めており、2024年開業予定です。

マレーシアの最大手コングロマリット

「ベルジャヤ」グループの売上高は4,000億円以上で、幅広い分野に進出しています。マレーシア国内では主要な不動産開発業者でホテルやリゾートの開発を行い、宝くじ事業も行っています。携帯電話サービスは、マレーシアでも大手の通信事業会社である「DiGi」 を保有しています。

また特筆すべきはフランチャイズを通じた食品や飲料の販売で、特にマクドナルド、スターバックス、セブンイレブンを保有しています。自動車産業では、ヒュンダイとの合弁事業による自動車販売も行っています。また空調や冷凍とその関連システムの製造と販売を行っていて、F&Bビジネスでは欠かせない業者となっています。

創業者は億万長者のVincent Tan氏

「ベルジャヤ」の創業者は、マレーシアの長者番付で毎年3位以内に入るVincent Tan氏です。彼はForm5(日本では高校2年生に当たる)という中等教育しか受けておらず、AIA の保険代理店で働きはじめ、21 歳という若さで最年少の代理店マネージャーに昇進しました。その後、わずか28歳で RM250,000 を投資し、マクドナルドのフランチャイズ権を獲得しています。その後は不動産、ホテルにカジノ、娯楽や通信など幅広いビジネスに手を広げています。

人生は最高の教育を与えてくれる

彼の人生訓は多くの示唆に富んでいます。

「チャンスはいつ来るか分からないので、いつも一生懸命に。頑張ってチャンスを待つ」
「夢を追い求める決意を固め、簡単にあきらめない。途中で障害や落胆は必ずある」
「鍵となるのは、成功できるように目標に集中し続けること」
「ビジネスは適切な価格で販売することと、常に新しいアイデアに対してオープンであることが大切」

この実業家の賢明な言葉から何かを学びたいですね。

関連記事一覧