マレーシアのファミマ、ハラル認証取得で大躍進!全店で酒類販売を休止

マレーシア

マレーシアのファミリーマート(ファミマ)が全店での酒類販売を休止し、注目を浴びています。さらに、同社のファミカフェがマレーシア初のハラル認証を取得し、話題を集めています。今回の取り組みは全店舗へのハラル認証取得を目指す一環であり、2025年までに360店舗全てが認証を受ける予定です。ファミマはマレーシアでの人気が高く、食品の販売を拡大することでさらなる売上増を目指しています。マレーシア人にとってファミマは、高品質な日本の味を手軽に楽しめる場所として人気を博しており、今回の取り組みは顧客に対する価値提供と顧客体験向上の一環となっています。
ファミマのマーケティング戦略の成功に感嘆せざるを得ません。
今回の記事では、マレーシアのファミリーマートの戦略について解説します。

マレーシア ファミリーマート 全店で酒類の販売を休止   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年6月8日

ファミマカフェがハラル認証を取得

5月10日、シャーアラム(クアラルンプール近郊の街)にあるファミカフェが、マレーシアのハラル認証機関であるJAKIMからハラル認証を取得したと発表しました。

ファミカフェは、マレーシアでは初めてハラル認証を取得したコンビニカフェとなります。

全店でのハラル認証取得を目指す

ファミリーマートによると、他のファミカフェもハラル認証を受ける予定であり、2025年までに、マレーシア全土にある360店舗のファミリーマートのカフェもハラル認証取得することを目指しています。

マレーシアには現在、ファミカフェが 16 店舗あり、2023年末までに50 店舗になる予定になっています。

顧客に価値を提供

ファミリーマートによると、もともと売上高に占めるアルコール飲料の割合が低いので今回のアルコール関連飲料の販売停止が業績に与える影響は小さく、今後はファミカフェを店舗のメインコンセプトにして、飲料を含めた様々な食品の販売を拡大し、売上を伸ばす予定だそうです。

また、「店舗でハラル認証を取得するという取り組みは、お客様が買い物をしたり食事をしたりする際に、お客様に対しより大きな保証と自社の自信を提供するための次のステップ」で「顧客体験を向上させ、顧客に価値を提供し続けるための継続的な改善の一環である」と発表しています。

ファミリーマートはなぜマレーシア人に人気

以前この記事で紹介しましたが、マレーシアではセブンイレブンが他社と比べて店舗数が圧倒的に多く2400店舗以上を運営する、マレーシアを代表するコンビニです。

人気度を見ると(ファンジャパンコミュニケーションズ調べ)、ファミリーマートが60%と圧倒的で、2位のセブンイレブンは22%になっています。

ファミリーマートがマレーシア人に人気があるのは、食べ物でマレーシア人の心をつかんでいることにあると思われます。

マレーシアのコンビニでは、日常品やスナックやパンなどを買う人が多かったのですが、ファミリーマートの登場後は、ファストフードやフレッシュフードを購入し、そこで食事をする人も増えています。

日本の味を高いクオリティで安価で楽しめる

ファミリーマートは開店当初から抹茶ソフトクリームが大人気で、どの店でも大行列ができており、子どもから大人まで好評を博しました。

また、お弁当やサンドイッチなどの軽食が日本のように充実しており、特に「おでん」は30 分も並ばないといけないほどの人気商品です。地元の人の好みに合わせてトムヤムクンスープを入れてローカライズし、ランチ需要を中心に大人気です。

店内に一歩足を踏み入れるとまさに日本のコンビニという雰囲気が漂い、すべての棚に商品がきれいに配置されています。スタッフの品出しも他店と比べてテキパキしており、システマティックに進められている印象を受けます。

コンビニというよりカフェ

先日、クアラルンプールの郊外にあるIOIショッピングモールの「DON DON DONKI」の新店を見に行った時、ファミマの店舗にも立ち寄りました。

今までの店舗では全面積の5分の1ほどがイートインスペースのカフェスタイルでしたが、この店舗は入り口にカフェスペースを全面積の半分程度と広めにとり、大人気のソフトクリームやおでん、スイーツのカウンターを設けています。マクドナルドのようにタッチパネルのオーダー機械を3台導入していました。従来多くあったスナック類を減らし、ファストフードとフレッシュフードの品揃えを充実させています。

見事な選択と集中、そしてマレーシア人の好みを良く把握していると、改めてファミリーマートのマーケティングに感嘆させられました。

まだまだファミマの進歩は止まらないようです。

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