シンガポールからクアラルンプールへの最善の移動手段: 飛行機、鉄道、高速バスの比較
シンガポールへの旅行や赴任、出張で隣国マレーシアへの移動を検討している方も多いかと思います。マレーシアへの移動手段は、飛行機、鉄道、高速バスの3つです。それぞれに特性とメリット・デメリットがあり、自身の旅行の目的やスケジュールに合わせて選択できます。また、シンガポールとクアラルンプール間の高速鉄道計画の現状と、シンガポールとマレーシアの深い結びつきについても触れています。さらに、シンガポール滞在中に隣国マレーシアを訪れる価値と魅力についても説明しています。
シンガポールからクアラルンプールへの最善の移動手段: 飛行機、鉄道、高速バスの比較
著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon
公開日:2023年5月13日
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東京-名古屋の距離
シンガポールからクアラルンプールまでの距離は約350kmで、ちょうど東京ー名古屋間くらいの距離です。このちょっとした小旅行の距離感で、東南アジアでシンガポールに次ぐ大都会クアラルンプールがありなす。民族構成や宗教が異なり、しかも安全で、言葉も通じるので、多くのシンガポール人が好む旅先となっています。
移動方法
クアラルンプールまでの移動手段は、飛行機、鉄道、高速バスの3つがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、ご自身の旅の目的やスケジュールに合わせて選ぶと良いでしょう。
それではそれぞれの手段について確認していきましょう。
【飛行機】
何といっても移動時間が少ないのが最大のメリットです。わずか1時間弱のフライトなので、眠る間もなく着いてしまいます。
ただ、フライトまでの時間が長いことはデメリットです。
また、チャンギ空港はシンガポール市内からそれほど遠くないので便利ですが、クアラルンプールの場合は市内まで車で1時間弱(渋滞の時間には倍近くになることも)と、時間と費用が結構かかってしまいます。
【鉄道】
鉄道は比較的料金が安いことと、何といってもゆっくりと旅情を感じられるのが最大のメリットです。大都会シンガポールでは感じることができない、ジャングルやヤシのプランテーションの青々とした風景は一見の価値ありです。
デメリットとしては、マレー鉄道のシンガポールにあった駅が廃止されたので、まずは、Woodlands駅まで行き、そこからシャトルでマレーシアのJohor Bahru駅に行き、マレー鉄道列車に乗り替えなければならないので、少し手間がかかります。
【高速バス】
わずか50シンガポールドル(5,000円弱)ほど、5~6時間でクアラルンプール市内のバスターミナルまで行ける便利さが、高速バスのメリットです。
途中トイレ休憩や食事休憩もあり、窓外の景色をゆっくりと眺め、乗客との話を楽しみながら移動することができます。
デメリットは、両国境のイミグレーションでバスから降りて手続きをしなければならないことです。一時期は手続きだけで6時間ほどかかっていましたが、コロナ禍以降、現在のところは旅行者も少ないため1時間もあれば済んでしまいます。
また、バスの中はギンギンにエアコンが効いていて寒いので、何か羽織るものをもっていかないと寒さに参ってしまいます。
高速鉄道計画について
シンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道は、当初は2026年までに開業する予定でしたが、2021年のマレーシアの総選挙で政権交代が起きた結果、この計画は中止となってしまいました。
完成すれば片道の所要時間は約100分となり、飛行機よりも便利な移動手段になる予定でした。
2022年の総選挙を経てアンワル氏が首相となっており、現在はこの高速鉄道の計画が、中国の支援を受けて再開する可能性も出てきています。
強い結びつき
シンガポールとマレーシアは、シンガポール独立の経緯も含め、切っても切れない関係性にあります。経済的にも強く結びついており、特にジョホール州とシンガポールは同一経済圏ともいえ、今後の発展が大きく期待されています。
シンガポール滞在中に、少し足を延ばしてジョホールバルやクアラルンプールを訪れて、シンガポールよりもより強い多民族・多文化・多宗教の国家の成り立ちを感じてみるのもいい経験になると思います。