ベトナム:ベトナムにおけるコロナの状況と政府の対策

コロナ時代

ベトナムは、東南アジアの中で最もコロナ対策に成功した国として取り上げられることが多いが、世界的に見てもコロナ対策の優等生といえる。今回は、ベトナムのコロナの状況と政府の対策について取り上げる。

ベトナムにおけるコロナの状況と政府の対策

著者:gramマネージャー 福田 さやか
公開日:2020年07月8日

ベトナム国内での感染者数の推移

ベトナムの動きは主に以下の通り:

発生期: 1月23日〜2月13日:最初の感染者を確認してから16人目の感染者が出るまで。

沈静期: 2月13日〜3月6日:新規感染者が出ず「コロナウイルスの込  みに成功した」と思われていた。

急増期: 3月6日〜3月31日:感染者が再確認され、感染者が急増した。危機感がいちばん高まった時期。

隔離期: 4月1日〜4月22日:外出禁止要請、公共交通機関の運行停止、商業施設の営業停止など「社会隔離」が行われた。

再生期: 4月23日〜 :経済活動が徐々に再開。

なお、新型コロナウイルス感染症予防対策国家指導委員会によれば、6月29日6時の時点で、ベトナムは74日間連続で市中感染者が出ていない。これまでのベトナムの感染者数は355人で、そのうち、330人が完治し、死者はゼロとなっている。医療施設で治療を受けている25人の患者の内、10人が1度目の検査で陰性となっている。

ベトナム政府の対応

① 1月23日~3月上旬まで:
患者の宿泊施設の消毒し、従業員と患者に接触した可能性のある者の隔離措置をとった。
1月31日より中国人に対するビザの発給停止や、中国感染症発生地域との航空便の運航停止を順次実施した。国内では大規模イベントの中止や、学校の休校、感染症対策の徹底が繰り返し勧告された。

② 3月中旬~(欧米からのベトナム入国者、帰国者に相次いで新型コロナウイルス感 染者が報告されベトナム政府はパンデミックの宣言):入国者の14日間の隔離と健康管理を実施、3月中旬には新型コロナウイルス感染症のすべて流行地域へのビザの発給を停止。3月下旬には外国人の入国を禁じ、事実上の鎖国状態に入った。

また、感染者数がまだ10人程度だった2月8日、ベトナム保健省は新型コロナウイルスの情報をまとめた公式アプリ「Suc khoe Viet Nam(ベトナムの健康)」をリリースした。
ベトナムの通信大手の1つであるビッテル(Viettel)が保健省からの依頼を受け、6日間で完成させたという。
これと合わせて、コロナウイルス情報の特設ウェブサイトも開設している。

さらに、ベトナム独自で簡易の検査キットを開発し、クラスター発生場所の関係者などの大規模検査も実施した。感染患者への治療にあたっては、全土の医療機関がオンラインでの会議を開き、国を挙げて重症者への治療方針を決定し従事した。治療に従事する職員は帰宅が許されず病院の敷地内で寝泊まり込みでの従事でした。(ハノイやホーチミンでは医療従事者のためにホテルが食事と宿泊の提供を実施していた )。

このように、政府が矢継ぎ早に政策を打ち出し、また、情報公開を積極的に行ったことで、パニックはなくなり、また、封じ込めに効果を出すことができているとみられる。

外国投資家の信頼を向上

ベトナムの直近の街の様子を動画で見る機会があったが、ほとんどの人はマスクをしておらず、街は通常の賑わいを取り戻しつつあるように見えた。ベトナム人の知人に聞けば、感染者は出ていないし、また、ベトナムは今非常に暑いため、皆マスクをしていないのだという。今回の新型コロナウイルスのパンデミック対応が良かったことで、ベトナムは外国投資家の信頼を向上させたといえるだろう。中国からの生産地移管の動きも出てきており、これからもベトナムから目が離せない。

福田 さやか

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gram パートナー&リサーチコンサルタント 【 経 歴 】 東南アジアに特化した高等教育支援NPO法人、慶應義塾大学大学院助教、国際会議支援会社、アジア専...

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