マレーシア:デジタルノマド向けの長期ビザ(DE Rantau Nomad Pass)をスタート

マレーシア

マレーシア通信・マルチメディア省とマレーシア・デジタル経済公社(MDEC)は9月13日、マレーシアを「デジタルノマド」の集積地とするプログラムを始動しました。その一環として、デジタルノマド向けのビザ(最大2年の滞在)の発給を開始すると発表しました。
そこで今回の記事では、マレーシアのデジタルノマド向けの長期ビザについて解説します。

最大2年の滞在可能のデジタルノマド向けの長期ビザプログラム(DE Rantau Nomad Pass)をスタート

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年10月11日

最大2年の滞在可能のDE Rantau Nomad Pass

マレーシアで10月1日から申請が可能になる、デジタルノマドビザ(DE Rantau Nomad Pass)の詳細について紹介します。
デジタルノマドの定義は、フリーランスだけではなく、他の国で雇用されていても、在宅ワークが可能な人であればデジタルノマドビザの申請が可能となっています。
ビザの対象となる業種はデジタル系に特化した以下のものです。

  1. 1.IT系: ソフトウェア開発、UX、UI、クラウド、サイバーセキュリティ、ブロックチェーン、AI、機械学習、データ処理関連
  2. 2.デジタルマーケティング
  3. 3.デジタルクリエイティブコンテンツ
  4. 4.デジタルコンテンツ開発

ビザを申請できる最低年収は24,000米ドル(約345万円)となっており、フリーランスでは現実的にはやはり困難かもしれません。

デジタルノマドビザの特徴としては

  1. 1.3か月以上12か月までマレーシアでの滞在が認められる
  2. 2.追加で12か月の延長の申請が可能
  3. 3.配偶者と子供の帯同が可能
  4. 4.デジタルノマドビザの申請費用は 本人: 1,000リンギット 帯同者: 500リンギット
    となっています。

デジタルノマドに最適地

マレーシアはデジタルノマドにとって最適の地であるとし、マレーシア政府は外国からの人材募集に力を入れています。アメリカやヨーロッパで支払う金額の何分の一かで質の高いライフスタイルを体験でき、インフラの整備も整っており、自宅やコワーキングスペース以外にも働く場所がたくさんあります。それに加え、多文化国家で、多くの人が英語を話し、安心・安全で低犯罪率であるとマレーシアの優位性を強調しています。
観光客が困らないようにフリーWi-Fiが提供されているスポットは数多く、空港やホテル、カフェやレストランなどでも使用することが可能です。
ただし、公共Wi-Fiなどに繋いで仕事をする場合には情報漏洩に注意が必要で、VPNサービスを活用するなど何らかの対策は必須です。

マレーシア各都市の特徴

クアラルンプール:
マレーシアのデジタルノマドに最適地で、多くのコワーキングスペースは高速インターネットやプライベートオフィスなどの最高の設備を備えています。

ランカウイ:
マレーシアの西海岸沖30キロに位置するランカウイは99 の島からなる群島で、関税がかからないことで知られています。

マラッカ:
外国人が多く訪れる文化都市で、コワーキングスペース設備が充実しています。

ジョホールバル:
シンガポールに近くビジネスに適した環境として知られ、リモートワークやビジネスに関心のある人々の好みの都市です。

ペナン:
マレーシアの料理の中心地で、世界遺産地区のジョージタウンもあり、外国人投資家にとって最高の設備を備えた都市です。

アジア各国で競争激化

タイはすでに4年間有効なスマートビザがありますが、同じく4年間有効なノマドビザの発給を決定し9月1日から申請が開始されました。このノマドビザではなんと10年間の居住が許可され、通常35%の税率が17%と減税される予定です。
インドネシアでも最長5年間居住可能なノマドビザの発給を決定しています。
シンガポールではエリートビザが新設され、高度人材の獲得にさらに力を入れ始めました。
欧州ではEU圏内でのデジタルノマドは一般的になりつつありますが、アジアでも同様にデジタルノマドが一般化し、高度人材の獲得競争がさらに進んでいくようです。

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