インドのお風呂事情:貴重な水と時間との戦い
日本のお風呂はリラックスできる至福の時間を与えてくれます。疲れた体を癒やしたり、寒い日には体を芯から温める効果もあり、お風呂に入ることは日本人の生活のなかで一日の大切な締めくくりと言っても過言ではないかもしれません。
一方で、インドのお風呂事情はどうでしょうか。私の住んでいるエリアの人々は、朝出かける前、もしくは午前中気温が上がって暖かくなった頃に、身体をきれいにするだけの目的でお風呂に入ります。しかも24時間いつでも給水されるエリアではないため、水はとても貴重です。そのため、毎日お風呂に入る習慣はなく2〜3日ごとが一般的のようです。家に水道がない家庭も多く、川や溜池で体を洗っている人も見かけます。
インドのお風呂事情:時間が勝負のバスタイム
著者:インドgram fellow KINGFISHER
公開日:2023年3月3日
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インドの湯沸かし器ギザとは
一般的な住宅は基本シャワーのみで、バスタブはありません。トイレとお風呂が同じ部屋にあり、電気で温める湯沸かし器、ギザ(Geyser)と呼ばれるウォーターヒーターが天井近くに設置されています。容量は15リットルから25リットルなどがあり、シャワーを浴びる10〜15分前くらいにスイッチを入れると緑色のランプが点灯し加熱が始まります。一定時間が経過し赤色のランプが点灯するとお湯が溜まったサインです。こうしてようやくシャワーを浴びることができます。
お湯が沸くまで意外と時間がかかるギザ
電圧が220ボルトのインドではすぐにお湯が使えると思うかもしれません。ところが、10度前後に気温が下がる冬は30分くらい時間がかかることもあり、時間を逆算してスイッチを入れないとお風呂に入るまでに長時間待つことになります。また熱いお湯は5分〜10分程度で使い切ってしまう量なので、上手に時間配分をしながらお湯を使わなければなりません。洗髪に長々とお湯を使っていると、体を洗う頃にはぬるくなったお湯しか残っていないこともあります。しかもいきなり停電するリスクもあるので、気長にのんびりとお風呂を楽しむことはできません。まさに時間との勝負ともいえるバスタイムなのです。
ギザを使ったお風呂の入り方
ギザには温度調節機能が付いていないものもあり、上手に2つの蛇口レバーを調節して適温にしなければなりません。しかし使っているうちにだんだんお湯がぬるくなってきたり、一旦蛇口を閉じてからまた開けると冷たい水が出てきたりします。シャワーを浴びながら温度調節をするのが面倒な場合は、バケツにまず熱いお湯を入れて、その後少しずつ水を足し、たらいを使ってお風呂に入る方法もあります。
バスタブがあっても無駄なわけとは
インドのとある都市で素敵なバスタブがついたホテルに宿泊したことがあります。今晩はお湯につかれる!と期待したものの、バズタブ自体に保温や追い焚き機能がついていないので、貯めたお湯はどんどんぬるくなってしまいます。そのため腰湯程度で少し体を温めて終わりという、なんとも悲しいバスタイムでした。
最新のギザは高性能
インド全国で5万以上の販売店舗を持つ大手家電メーカーV-Guardでは、容量が10リットルから25リットルのギザを販売しており、価格帯は約6000ルピーから約15000ルピーとなっています。加えてインド初となる、スマートフォンでコントロールが可能なインテリジェント給湯器を発売しています。ちなみに15リットルサイズは12000ルピー前後で購入できます。この最新のギガは、従来の2000Wのモデルよりも33%高速加熱、35度から37度の温度調節機能付きです。日本人からすると温度設定が低く感じますが、さほど高価ではないのでこうした高機能のギガを設置すればストレスなくバスタイムが楽しめるのかもしれません。
(引用元:公式HPV-Guard https://www.vguard.in/)
まとめ
インドのお風呂はお湯を温めるまで時間がかかり、湯沸かし器の容量も限界があってリラックスタイムと呼ぶにはほど遠いのが現状です。また、停電があるとお湯を温めることができません。最近では高速加熱できるギザも販売されていますが、バスタブに保温機能は付いていません。コントロールパネルのスイッチを押すだけで、水の量を気にすることなくいつでも気軽に入れる日本のお風呂が、インドでもあったら嬉しい限りです。