低カロリーが人気!中国の人気ドリンクチェーンのトレンド商品とは

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中国では空前の健康志向ブームが続いている。中国版Tik Tokでは激しい踊りをするフィットネス動画がバズり、ユーザーのフォロワー数は急激に上昇。ヨガやジムなどのフィットネスだけでなく、低カロリーな置き換え食品も若年層を中心に人気を集めている。多くの業界が健康志向ブームの動向を注視・マーケティングしている中、当記事では中国の人気ドリンクチェーンに焦点を当て紹介する。

低カロリーが人気!中国の人気ドリンクチェーンのトレンド商品とは

   著者:上海gramフェロー 米久 熊代
公開日:2022年8月16日

中国人気ドリンクチェーン3店舗のヘルシー商品

中国の飲料業界は低カロリー商品が主流である。お茶やジュースだけではなく、アルコールなどもゼロカロリーのものをよく見かける。少し前には、サントリーの烏龍茶と牛乳を割って作る太らないミルクティーがバズるなど、若年層を中心にヘルシー飲料がトレンドとなっているのだ。

中国の人気ドリンクチェーンも低カロリーに焦点を当て、無糖・無脂肪・ゼロカロリードリンクを販売している。ここで、中国で今ホットな3つのドリンクチェーン「Nowwa挪瓦珈琲」「瑞幸珈琲luckin coffee」「喜茶HEYTEA」が推しているヘルシー飲料を紹介する。

Nowwa coffee 挪瓦珈琲

(引用:小红书)

Nowwa coffeeは2019年設立にも関わらず、2022年2月時点で中国に1,500店舗以上を出店する今波にのっているドリンクチェーンだ。創業者は、水色の制服とバイクが印象的な中国のフードデリバリー最大手「餓了麼(ウーラマ)」の出身。Nowwa coffeeの売上の75%をフードデリバリーが占めている。

2021年1~9月期の売上高は前年同期比で600%以上増加、シリーズBおよびB+で計2億元(約35億円)を調達するような、勢いのある企業だ。(引用:36Kr Japan https://36kr.jp/164961/

現在発売中のセブンアップとのコラボ商品(引用:小红书)

Nowwa coffeeは人気ブランドとコラボ商品を打ち出すことが多い。8月現在はセブンアップとコラボしたレモンの爽やかな酸味とやさしい甘さがマッチしたスパークリングコーヒーを販売している。いくつもの店舗をまわって感じたのは、コラボ商品にも引けをとらない無糖飲料が、店舗広告で最も大きく宣伝されている(筆者個人の意見)。Nowwa coffeeは以前からココナッツラテを販売していたが、これが0糖(スクロース0、果糖0、乳糖0)にアップグレードされていた。

店員おすすめのココナッツマンゴードリンク17元(約340円)

葡萄や桃などを使った糖質0のフルーツラテは、通常のラテより37.5%低脂肪のライトミルクを使用している。無糖の生ココナッツの果肉が入ったフルーツティーもおすすめだとNowwa coffeeのイケメンスタッフが話してくれた。また、8月4日から上海市政府主催の経済促進イベント「珈琲文化周」では、マイカップ持参者に「無糖ココナッツラテ」を無料で提供するなどで、話題性と高い宣伝効果を得ている。

luckin coffee 瑞幸珈琲

中国国内のスターバックスの店舗数を超えたことが話題となった、”中国のスタバ”の異名を持つluckin coffee。粉飾決算によって米上場廃止通告をされるなど、赤字が続いていたが、創業5年で初となる経営利益黒字を達成した。ブラジル産などの生豆を材料とするプレミアム珈琲のファンは多い。スターバックスの珈琲が1杯あたり27元(約540円/トールサイズ)に対し、luckin coffeeは1杯13元(約260円/筆者調べ)とコストパフォーマンスが高いのが人気の理由だ。

ココナッツラテが大ヒットしたluckin coffeeだが、2022年夏の新作は、夏のビーチと青空をイメージした「ブルーココナッツラテ」。実際の商品は、広告のような鮮やかな青ではなかったが味は確か。0乳糖でヘルシーでありながら、やさしいココナッツのほんのりした甘味と厳選されたプレミアム珈琲の苦みが感じられる、夏にぴったりの商品であった。

夏限定のスイカラテ(引用:小红书)

夏の果物といえばスイカを想像する人が多いと思うが、日本人よりも中国人のほうがスイカ好きが多いように感じる(筆者個人の意見)。近所のローカルな果物屋ではスイカが1玉4元(約80円)もしない価格で販売され、中国の夏の風物詩ともいえる腹だけ出したおじ様がよく購入している。上海市にある少し高級なホテルのビュッフェにも、皮付きの三角にカットされたスイカが置かれていた。皿に何個もスイカを盛り、他のどの料理よりもスイカを食べる量が多いように感じた。個人的にスイカ好きが多いイメージのある中国だが、luckin coffeeでは現在濃厚ミルクを使用したスイカラテを夏限定の商品として販売している。スイカと珈琲の意外な組み合わせにハマる人が多く、筆者の友人も絶賛していた。0カロリーのスイカシロップを使用しているため、他のドリンクよりも低カロリーだ。

HEYTEA 喜茶

HEYTEAは2012年に設立された、深センに本社を置く、中国で話題性の高い人気ドリンクチェーンの1つだ。広東省江門市の路上で小規模な店をオープンし、2020年12月末時点で695店舗に拡大。HEYTEAのお茶を買うために何時間も行列に並ぶ人が続出するほどの人気ぶりであった。

HEYTEAの低カロリードリンク(引用:小红书)

チーズ茶が若年層を中心に大ヒットしたHEYTEAだが、最近では0カロリーや無糖飲料の発売が続いている。HEYTEAのフルーツティーのフレーバーは、葡萄、マスカット、苺、マンゴーなどがある。筆者は葡萄味を飲んでみたが、果実がゴロゴロ入っていて飲みごたえがあり、一杯500mlあるので飲み切る頃には腹も心も満たされていた。無糖なので罪悪感なく最後まで飲むことができる。筆者が訪れた店舗ではこの無糖フルーツティーが数ヶ月間で一番人気だという。

急成長する中国の無糖飲料市場

東興証券(Dongxing Securities)のリポートによると、2014年の中国の無糖飲料市場は16億6000万元(約281億円)で、市場全体のわずか0.27%にとどまっていたが、2019年には約6倍の98億7000万元(約1669億円)に成長した。「元気森林」が2018年に無糖炭酸水をヒットさせ、無糖ブームの火付け役となった。

(引用:AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3367389

引用:元気森林)

中国のサントリーともいわれる「元気森林」は、0糖・0脂肪・0カロリー飲料を展開するなど、健康志向に力を入れているブランドだ。中国のSNSでは太らない低カロリー飲料といった投稿でよく紹介されている。

無糖炭酸飲料メーカー「元気森林(GENKI FOREST)」が間もなく約2億ドル(約220億円)の資金調達を終えることが明らかになった。今回の資金調達後、元気森林の評価額は150億ドル(約1兆7000億円)に達する見込みだ。今年4月に完了した資金調達後の評価額が60億ドル(約6800億円)だったので、元気森林の評価額はわずか半年で2.5倍にも上昇したことになる。

(引用:36Kr Japan https://36kr.jp/158657/

コロナ禍が後押しとなっている健康産業だが、中国で社会問題になっている肥満増加も市場成長に関係している。将来の健康状態の不安から生活習慣を見直すだけでなく、体重や容姿も気にする若年層が増加。上海市に住む知人(20代女性)は「クリームやチョコフレーバーの甘いドリンクが好きで仕事に行く前に毎日購入していた。でも最近はコロナの影響でジムに通えなくなり太ってしまった。仕事中に甘い物を口に入れることがストレス発散だから止められないため、無糖・無脂肪・0カロリーなどの表記があるドリンクを購入して気持ちを満たすようにしている」と話してくれた。

まとめ

(引用:小红书)

今回は中国の人気ドリンクチェーン3店舗に焦点を当て紹介したが、いずれも「0糖・0脂肪・0カロリー」の商品が人気を集めている。また、お菓子やごはんなどにおいてもこの3つのゼロが揃う商品はよく売れる傾向にあるので、今後も消費者の需要は高水準を維持するだろう。

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