イタリア人消費者が選ぶパッケージはグリーンパッケージング一択
ファッション、建築、車など、デザインへの美意識が高いイタリア。しかしここ最近イタリア人が選ぶとされるパッケージは、もはやデザイン重視のものではなく環境配慮されているグリーンパッケージングだ。そして入念にパッケージに記載されている情報をチェックする
私たちが今後、商品パッケージに何を盛り込んでいくべきかに注目したい。
イタリア人消費者が選ぶパッケージはグリーンパッケージング一択
著者:イタリアgram fellow 伊田里アネ
公開日:2023年2月1日
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イタリア人消費者はリサイクル意識が高い
誰しも商品を購入する時、その梱包状態を見ることだろう。ただ見るだけでなく、いったいどんなことをチェックするのか?
2023年1月23日にイタリアのボローニャで開催された展示会MARCA2023にて、調査コンサルティングを行うNOMISIMA(ノミジマ)は、消費者の手に渡る包材パッケージングの観測調査のレポートを発表した。18歳から65歳までのバイヤー1000人を対象に調査したところ、まず第一にチェックするのはパッケージのリサイクル方法(48%)であった。次に商品の製造方法や環境への影響の有無。最後に原産地からのサプライチェーンをチェックするという結果だった。
商品のデザインが良いかは二の次で、まず環境配慮情報が記載されているかを消費者が念入りに見るようになっているということだ。
(引用: https://www.marca.bolognafiere.it/nqcontent.cfm?a\_id=12523&lang=it )
“もっと詳しく”がイタリア人消費者の希望
しかしイタリア人の5人に1人はその表記に不満があるという。
環境に対する配慮として、もっと詳しくサスティナブル要件が記載されているパッケージングを選択したいとするものだ。
現在イタリアもインフレである。そして一度高騰してしまった価格は戻らないと消費者も諦めている。にもかかわらず、価格が高騰したとしても、環境へ配備したパッケージの商品を選ぶことがまず購買の決め手になっている。
環境に配慮したグリーンパッケージングは、もはやイタリアだけでなく欧州ではスタンダードポジションになりつつある。
そのグリーンパッケージングは、新しい包材商材であるためコストがかかる。 しかし、2030年までに全世界で年間成長率7.5%で成長するともいわれているほど、その需要は高まっている。
環境配慮がわかりやすい合理的なビン商品
そんな中で唯一安定した支持があるのが瓶詰め商品だ。
パスタソース、オリーブオイル、清涼飲料水、酢漬け商品などの瓶詰め商品は、グリーンパッケージングよりもわかりやすい。瓶がリサイクル可能であるということが共通認識としてあるからだ。
実際に清涼飲料水などは、環境配備した紙製パッケージよりも、簡単にリサイクル可能であることがわかっているビンを選ぶ人が65%にものぼる。
消費者が選ぶグリーンパッケージングはESG評価にもつながる
グリーンパッケージングの商品を購入する消費者は、もはや過半数以上の75%にもなりつつあるイタリア。
食品においては、カロリー、動物性、植物性、グルテンフリー、非遺伝子組換え、ニッケルフリー、原産地証明など、さまざまな記載がされている。それだけでなく、さらに詳細な環境配慮の情報も欲しいという。そしてその商品を選び、納得した上で購入する。
もちろん環境に優しい行動をとることは意識高いアクションとして評価される。SDGsはサスティナブルな行動指針で、企業が行うESGは消費者のSDGs行動指針への具体的なアクションにもつながる。
欧州企業では環境に配慮した商品を製造することがESG評価へとつながる。ESGの評価が上がると、必然的にアクションを起こす企業のイメージは良くなり、特に投資家からのウケがいい。したがってグリーンパッケージングの選択は、意識が高いアクションということだけでなく、そこに見える経済効果もあるのだ。
最後に、日本で今でも重宝される竹皮など、殺菌作用にも優れていてエコな素材なので、理想的なグリーンパッケージングではないかと筆者は考えている。