2023年ニュージーランド最低賃金が1.5NZD上昇!経済への影響に懸念

オセアニア

2023年4月からニュージーランドの最低賃金が1.5NZD引上げることが発表されました。過去数年の最低賃金の引上げ時には非雇用者の数が減り、経済的な打撃を受けている家族を支援するための措置として、今回の引上げが行われることになりました。しかし、最低賃金の上昇により、中間層の所得者や経営者にとっては厳しい状況となり、商品や料理の価格を上げる必要性も生じています。
また、最低賃金の引上げは一部の雇用者にとっては好ましいものである一方で、経営者にとっては悩みの種となることが予測されています。

最低賃金の引上げによるニュージーランド政府の対応と人々の声

   著者:ニュージーランドgramフェロー 河本 梨奈
公開日:2023年2月27日

2023年の4月からは最低賃金が1.5NZDも引上げ

2022年に21.2NZDだった最低賃金が、2023年4月から1.5NZD引上げして22.7NZDになります。1NZDが約85円なので、日本円で換算すると約1,802円から約1930円のアップです。

過去数年の最低賃金の引上げ時には非雇用者の数が減っていて、また毎年その数が最少になっています。実際のところ、2022年の1年間でニュージーランドの物価は7.2%上昇しました。食費や医療費などの家計のやりくりが難しく経済的に大打撃を受けている家族を、賃金をあげることでサポートできると、大臣のHipkins氏は述べています。また、インフレによる最低賃金の上昇は何千もの生活困難者のニュージーランド人を増やさないことに繋がるとも考えています。

実際に2022年の4月には最低賃金を1.2NZD引上げましたが、インフレの変化がごくわずかであったことが記録されています。そのため、今回の7%の最低賃金の上昇は、0.1%のGDPヘの影響のみだろうと予測しています。

過去10年間で賃金の上昇率の高さに苦悩する一面

2023年の最低賃金は22.7NZDと、10年前の13.75NZDから約9NZD(約765円)も引上げしています。これにより厳しくなるのは中間層の所得者と経営者です。最低賃金の上昇率に合わせて昇給を得られる社員が少ないこと、所得に対する税率が変わらないので昇給しても納める税金が増えてしまうからです。ニュージーランドのラジオでも語られていましたが、ニュージーランドの人々からも非難の声が上がっていました。

小さなビジネスや飲食業では、物価と賃金の引上げに合わせて商品や料理などの価格を上げなくてはならないのですが、従業員の賃金を払うことが厳しくなっています。最低賃金の上昇は一定の雇用者にとっては嬉しい一方で、頭を抱える経営者が増えているのも事実です。

まとめ

ニュージーランドは最低賃金が世界でも高い国でありながら、現在もその上昇が続いています。ニュージーランドでビジネスを展開しようと考えている方は、最低賃金に対する売り上げをしっかり考慮することが必要です。2023年の10月に選挙があるニュージーランドですが、今後の経済に対する政府の動きに着目したいです。

【引用】
◇TRADING ECONOMIES:ニュージーランド 最低賃金
https://jp.tradingeconomics.com/new-zealand/minimum-wages

◇RNZ:Minimum wage set to increase by $1.50 an hour
https://www.rnz.co.nz/news/political/483880/minimum-wage-set-to-increase-by-1-point-50-an-hour

◇1news:Govt announces minimum wage to rise from April 1
https://www.1news.co.nz/2023/02/08/govt-announces-minimum-wage-to-rise-from-april-1/

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