躍進する展示会の復活!シンガポールでの最新動向と成功の秘訣

シンガポール

シンガポールでの展示会の動向に注目が集まっています。コロナ禍の影響を受けた展示会は徐々に回復し、最大の食品展示会である「Food & Hotel Asia (FHA)」も開催されました。国内外の食品事業者を対象にした展示会で、シンガポール国内の業者が多くを占める状況です。来場者数は前回よりも半減し、日本の出展者も少なく感じられました。しかし、今年の主要展示会や国際会議も予定されており、成功のポイントとして魅力的なブースやローカライズ、付加価値の提供、商談後の準備などが挙げられます。日本の商品やサービスの魅力を自信を持って伝えることが重要です。

そこで今回は、シンガポールでの展示会についてとその動向、展示会を成功させる方法について考察してみたいと思います。

展示会の開催が急速に復調:シンガポールでの展示会動向  

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年6月1日

5年ぶりの開催

FHAは、2年に1回シンガポールのチャンギエリアにあるEXPOで開催される、アジア最大の食品展示会で、2020年に開催予定のものがコロナ禍で2022年に延期、さらにもう1年延期されて、2023年4月25日~28日にかけて開催されました。

私自身、アジア地域への再赴任が決定した契機がこのFHAであり、その後も欠かさずに参加しています。食品業界に携わっている人にとっては欠かすことができない重要な展示会です。 

国内に注力

以前の記事でもお伝えしたように、シンガポールではコロナに対する規制がほぼなくなり、以前の生活が戻りつつあります。感染者数は規制撤廃し、マスクの着用推奨もなくなった後は、規制時よりも高い数字で推移しています。

そのような背景もあり、今回のFHAは国内外から広く展示者を積極的に募るのではなく、コロナによって多大な影響を受けたシンガポール国内の食品事業者をメインにすえています。

シンガポールの業者のブースが多くを占めており、来場者もやはり国内の人が大多数でした。

来場者半減

2018年のFHAでは、76の地域から3,500を超える展示者が集まり、過去最多の105か国から82,000人が来場し大盛況でしたが、今年はその約6割、50,000人の来場者にとどまりました。

商談スペースは小さく、休憩場のようになっていることが多く、コロナからの完全復帰にはほど遠いと感じました。

日本ブースは…

今回、日本からの出展者は非常に少なく10数社程度。会場の3分の1を占めるほどの中国のブースや、50社以上の韓国、遠くイタリアからも30数社と、他国と比べて非常に少なく、ブースの勢いも感じられませんでした。

出展者として参加した2016年には、日本の各県ごとに出展があり注目度も高く、その場で多数の商談も見られました。また私自身、展示会後も多くの引き合いを頂きました。

2023年の主な展示会

今年2023年に開催予定の主な展示会は以下の通りです。

●「Speciality Coffee & Tea Asia 2023 」 09月26日 ~09月28日
   コーヒー/コーヒー豆、ミルク、茶/茶葉、エスプレッソマシンなどのコーヒー機器

●「Food Japan 2023 – ASEAN Exhibition of Oishii Japanese F&B, Technology, and Services」 10月11日 ~ 10月13日
   農産品、畜産品、水産品、加工食品、菓子、デザート、日本茶、フランチャイズ、外食

●「Agri-Food Tech Expo Asia 2023」 10月31日 ~ 11月02日
   食品加工、都市農業・スマート農業、水産養殖、スーパーフードなどが対象品目

また、さまざまな国際会議なども予定されています。

シンガポールの展示会で成功するには

展示会で成功するには4つポイントがあります。

1、魅力的なブース
毎回感じるのは、日本の出展者のブースは説明的です。イタリアやアメリカなど、毎回多くの観覧者を集めるブースは、デザインに必ずアイキャッチがあり、足を止めてもらうことに注力しています。

2、ローカライズ
まずは足を止めてもらわねば話にならず、魅力的なブースをデザインし、接客やセールスに長けた人材を配置することがポイントです。

3、付加価値&可視化
ハラルに気を配るなど、しっかりとローカライズを徹底することが重要です。
シンガポールは高付加価値のある商品が人気なので、いかに付加価値を付けてそれを可視化できるかも大きなポイントです。

4、商談後の備え
アジアや欧米で主力となっているコミュニケーションツールである「WhatsApp」を展示会前にダウンロードして、商談後に頻繁にやり取りをして詳細を詰めていくことも重要なポイントでしょう。

商品やサービスの魅力を自信をもってしっかりと伝える

日本の商品やサービスは、国内の顧客の需要や要求に応えるために、どの国にも負けないほどの高いレベルにあるのは間違いありません。

ただ、国内の市場規模もそこそこあるため、海外に市場を獲得に出ていない産業が多く、場慣れしていないというのが実情だと思います。

海外の展示会の雰囲気を楽しみながら、自社の商品やサービスの魅力をしっかりと伝えましょう!

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