シンガポール航空、2023年3月期決算で過去最高益を達成!コロナ禍を乗り越えた躍進

シンガポール

シンガポール航空が先日発表した2023年3月期の連結決算では、最終損益が21億5700万シンガポールドル(約2,190億円)という過去最高益を記録し、コロナ禍からの脱却があらためて示されました。

そこで今回の記事では、常に世界の先頭を走り続けているシンガポール航空について解説します。

シンガポール航空 2023年3月期決算 過去最高益

   著者:シンガポールgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年 7月14日

3年連続の赤字から一転

2023年3月期は、前年度の9億6,200万Sドル(約983億円)の純損失からV字回復で、さらに3期連続の赤字から一転して、過去最高益を更新しました。
シンガポール航空によると、コロナ禍の終了による人出の増加による航空需要の強さが乗客の搭載率を押し上げ、それが収益や営業利益の増加につながったとのことです。  

(引用元:AsiaX :シンガポール航空、3年間の赤字から年間過去最高益を達成 https://www.asiax.biz/news/62676/

8カ月分のボーナスを支給

過去最高の業績を受け、シンガポール航空の従業員は約8ヶ月分のボーナスが支給されます。
このボーナスには、6.65ヶ月分の過去最高の利益分配ボーナスと、過去3年度の会計年度ごとに0.5ヶ月の恩給ボーナスで、最大で合計1.5ヶ月の恩給ボーナスが含まれています。

同社の広報は「今回の恩給ボーナスの支給は、従業員がコロナのパンデミック時、減給を含む犠牲と不断の献身的な努力を認めるためのもので、また3年間の変革プログラムの成功により競争力が向上し、将来の基盤が強化されたため」と述べています。

現在、シンガポール航空グループには約2万4,000人の従業員がおり、コロナ禍には最大で60%の給料カットを受け入れるなどしており、このようなコロナ禍での忍耐や努力が破格のボーナス支給に至ったと発表しています。

世界でも人気のエアライン

シンガポール航空は、世界の主要なエアラインの人気ランキングでも常に上位にランキングされており、数多くの受賞歴があります。
英スカイトラックス社による航空会社の格付けでは、最高評価の「5つ星」の認定を得ており、先日発表された「ワールド・エアライン・アワード 2023」でも1位の評価を得ています。

シンガポール航空は、プロの厳しい目から見ても高い評価を受ています。

卓越した業績やサービスを生む出す要素

シンガポール航空は、「最新鋭の翼とやさしいおもてなし」をコンセプトにおいて、それに基づく高いレベルのサービスを提供し続けており、それが高く評価されています。

設立当初から卓越したサービスによる差別化戦略をとっており、技術革新、本物の品質、優れた顧客サービスでブランドを構築し、ブランド特性を忠実に守り続けることによって、差別化の原動力となってきました。

新しい航空機を積極的に投入していてハード面のレベルは非常に高く、スタッフのサービス面をはじめとするソフト面の充実も素晴らしく、最も快適な空の旅を提供する航空会社といえます。

国家のブランド価値に貢献

シンガポールの建国の父であるリー・クアンユー氏は、「シンガポール航空はシンガポールそのものである」と評しました。

シンガポール航空は「シンガポールの国家のブランド価値に20%、あるいはそれ以上の貢献をしている」とよく言われます。事実、シンガポール航空の乗客の90% 以上が、シンガポールに入国せずにチャンギ空港を乗り継ぎハブとして使用しているのは注目すべきことです。

(引用元:Martin Roll :Country Branding Strategies For Nations And Companies
https://martinroll.com/resources/articles/branding/country-branding-strategies-for-nations-and-companies/

シンガポールを象徴

シンガポール航空が有している「国際性・多様性・先進性」は、まさに先進的な都市国家であるシンガポールを象徴していると言っても過言ではないでしょう。

シンガポール航空は、これからもシンガポールの「ブランドイメージ」を伝え続け、シンガポールのブランド戦略の一端を担っていくことでしょう。

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