中国で拡大するヘアケア市場:人気ヘアケアブランドと人気商品

中国

近年、中国ではヘアケア市場が拡大している。頭皮の痒みやフケ、薄毛、白髪などのヘアトラブルに悩む中国人が多く、高級シャンプー、トリートメント、スカルプケア用品、髪の毛に良いとされている食べ物など注目されている。中国のSNSではヘアケアに関する投稿も多くあり「いいね」の数から注目度の高さを伺うことができる。当記事では中国で人気のヘアケアブランドと商品、市場について紹介する。

中国で拡大するヘアケア市場:人気ヘアケアブランドと人気商品

   著者:上海gramフェロー 米久 熊代
公開日:2022年8月2日

中国でプレミアムヘアケア用品が人気

上海市のロックダウンが終わりに差し掛かったころ。飲食店は勿論、コンビニさえも営業しておらず普段の上海とはかけ離れた町の静けさの中で、一足先に美容院はひっそりと営業を始めていた。ロックダウン中にも関わらず美容院を訪れる客は意外にも多く、小区から制限付きで外出許可が出たであろう人たちが集まっていた。

中流階級~富裕層の客が多い美容院に勤める知人から「髪の毛に水分と潤いを与えるスペシャルトリートメントが人気」と聞いた。トリートメントの価格は1回300元~480元(約6,000円~9,600円)と、トリートメントにしては高額。しかし、1回の施術で髪の毛をあらゆるダメージから守ってくれ、1カ月は潤った指通りの良い髪質を保つことができるのだ。スペシャルトリートメントの他にも、ドライヤーの前後に使用する洗い流さないトリートメントや、ケラスターゼのヘアオイルなど輸入品のホームヘアケア用品も人気が高いという。

(出典:京東 https://item.jd.com/41204461235.html

上海市に住む知人(30代・女性)からは「阿道夫」のシャンプーとトリートメントを進められた。彼女曰く「中国人は高い割合で使っている有名なヘアケアブランド。使ったことがなくとも中国人なら誰もが知っている」と言っていた。阿道夫は2006年に広州省で設立した中国の高級ヘアケアブランド。徹底的に香りや原材料を拘り、長時間香りが持続するアロマシャンプーは他商品との差別化に成功した。

2000店舗以上のヘアケア専門店

筆者の自宅近くのモールの中には、白髪や脱毛防止などのヘアケア専門店が入っている。この「Sipimo」というヘアケア専門店は2012年設立。中国の深圳に本社を置き、国内の60以上の都市に2000店舗以上もある。米国、オーストラリア、欧州連合など海外市場の参入にも成功する大手ヘアケア専門店だ。店のスペースは小規模だが平日、土日関係なく常に客が入っていることが多く、客層はほとんどが女性。中国の90年代以降の現代の若者は、忙しい日常と仕事のプレッシャーが比較的高く、ストレスによる抜け毛や白髪を気にしている傾向にある。Sipimoでは店舗、ECともに若者の需要に合わせたスカルプケア商品も取り扱っている。

髪の毛や地肌に直接付けるヘアケア商品だけではなく、体の内側から髪の毛をケアする方法も中国のSNSでは注目されている。日本人なら髪の毛に良い食べ物と言えば海藻類だが、中国では黒ゴマや黒米、落花生、クコの実、クルミなどのナッツ類が髪の毛に良いとされていて、食べるタイプのヘアケア商品も中国では需要がある。

中国で急成長するヘアケア

市場調査会社のミンテル(MINTEL)は、中国のヘアケア市場は2025年までに91億6000万ドル(約1兆2300億円)に達すると予測している。同社のアン・イン(Anne Yin)=ビューティ&パーソナル ケア アナリストは、「中国のヘアケア市場は、コンディショナーとトリートメントがけん引している。女性がより多様なヘアケア製品を取り入れ、男女ともにスカルプ製品を購入している。ブランドの新製品開発も盛んで、スキンケアの知見をヘアケアに取り入れている。こうしてヘアケア市場が、ほとんど飽和しているシャンプー市場に代わる成長要因となった」と話す。今後は「成分やテクノロジーに関する関心がますます高まるだろう。パーソナライズにも期待したい」と続ける。
(引用:WWD JAPAN https://www.wwdjapan.com/articles/1375422

何故こんなにも中国でヘアケア市場が急成長しているのか。その背景には、薄毛を気にする中国人、特に若者が急増していることがある。各種統計データによると、抜け毛が気になる年齢層は26~30歳が最多。スマホの使い過ぎによる夜更かしや、仕事のストレスが抜け毛の開始時期を早めているようだ。中国全体では約2億5000万人、6人に1人が薄毛に悩むようになっている。女性も多いのが特徴的。
(引用:上海ジャピオン https://shvoice.com/special_feature/74644.html

日本ではハンドクリームが有名なロクシタンは、中国でも人気でシャンプーなどのヘアケアの需要が高い。中国にあるロクシタンの入り口にはフケや痒みを抑え、オイルコントロールと頭皮へ栄養を与えるシャンプーの特設ブースや、スカルプヘアケアコーナーが設置されていた。店に訪れる客は若年層の女性が圧倒的に多い印象だった。

(出典:京東 https://search.jd.com/Search?keyword=Fino%20Shiseido&enc=utf-8&wq=Fino%20Shiseido&pvid=577d6e91fbf840b590fb662439ecdc75

中国シェアNo,1とNo,2を誇る巨大ECサイトのアリババグループ「天猫」と「京東」ではSHISEIDOのヘアマスク(トリートメント)のフィーノが人気だ。日本でも何度も話題になっているコスパ最強のトリートメントは中国人の心も掴んでいる。売上ランキング(2022年6月27日時点)天猫では堂々の第2位となっており、京東では3位~5位までフィーノのヘアマスクがランクイしている。

(出典:京東 https://item.jd.com/65201322604.html

スカルプケアも需要の高い中国では、京東で「スカルプシャンプー」と調べるとSHISEIDOのシャンプーが売上ランキング3位となっていた。口コミによると「泡が濃密で泡立ちし易く、洗い上がりはほんの少し涼しいさっぱりした感じが心地いい」「新しい世界への扉が開いた」「本当に良い物と言わざるを得ない」と絶賛する口コミが目立っている。容量250mlで260元(約5,200円)、500mlは420元(約8,400円)、1,000mlは640元(約12,800円)と高価格帯のシャンプーにも関わらず中国人女性はヘアケアにお金をかける傾向にあるようだ。

まとめ

中国ではコーヒーや化粧品などのプレミアム市場が拡大。ヘアケアもプレミアム化がトレンドとなっており、現地ブランドよりも輸入品の需要が高い。値が張る商品でも品質に拘った安心安全な日本製品の口コミは広がり、中国消費者に受け入れられている。

 

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