W杯決勝戦が再試合!?年末恒例スペイン版エイプリルフールとは
クリスマスも終わり年末も押し迫った12月28日、スペインではエル・ディア・デ・トードス・ロス・サントス（El Día de Todos Los Santos)という日を迎える。日本のエイプリルフールと同じように、ちょっとした嘘やジョークを誰かにお見舞いすることが許されている日である。そのため多くの新聞社やニュース配信社そして様々な企業が、この日に手の込んだジョーク記事をSNSなどに掲載する。
今回の記事では2022年12月28日に掲載されたジョーク記事のなかでも、非常に評判の高かったものを3つほどご紹介しよう。
W杯決勝戦が再試合!?年末恒例スペイン版エイプリルフールとは
著者：スペインgramフェロー 對馬 由佳理
公開日：2023年1月022日
- スペイン・バレンシアの火祭り｜Las Falles 2024
- 待望の再開！スペインと日本を結ぶ直行便、ビジネス利用者にとってのメリットとは？
- スペイン流ライフスタイル｜5食とシエスタがもたらすワーク・ライフ・バランスの秘訣
- 環境対策と観光needs｜スペインが見据える電動キックボードの行方
エル・ディア・デ・トードス・ロス・サントスの由来とは
このエル・ディア・デ・トードス・ロス・サントスは、聖書のマタイ伝に由来する。
その昔イスラエルを統治していたヘロデ王が、自分を将来脅かす可能性のある人物をイスラエルから排除するために、「国内にいる２歳以下の子供をすべて殺すように」と自分の部下に命じたのが12月28日とされているのである。
しかし、この殺害から逃れることができた子供の1人が後のイエス・キリストとなったといわれている。
ジョーク記事その１ ワールドカップの決勝戦が再試合に?
今年いちばん話題になった12月28日のジョーク記事が、こちらの「FIFAワールドカップカタール大会の決勝戦アルゼンチン対フランスの試合が、再試合になる」というもの。
ちょうど12月28日がワールドカップが終わった直後であったこと、そしてワールドカップの決勝戦自体がかなりの接戦だったこともあり、この記事が話題となったのであろう。ちなみに、このジョーク記事は様々なメディアで取り上げられているが、特アルゼンチンをはじめとするラテンアメリカのメディアを中心に拡散された。
記事の詳しい内容を見ると「ワールドカップの決勝戦で審判の判定に疑念を抱いたフランス代表チームがFIFAに再試合を要求し、FIFAがそれを受け入れた」ということになっている。
ジョーク記事その２ スペイン警察がフェラーリをパトカーに使用?
（引用： https://twitter.com/guardiacivil/status/1608009986898116611 ）
この日ばかりは国家機関もジョーク合戦に参加する。スペイン国内で話題になったジョーク記事がこちら。スペインの警察組織の一つである「グアルディア・シビル（Guardia Civil）が、28台のフェラーリGT3をスピード違反の取締業務に使用すると発表した」というものである。「650馬力で最大時速350km/h 、時速100kmまで2.8秒で加速完了」というこの車なら、スピード違反した車を逃がすことはないだろう。
ジョーク記事その３ パンから作った靴が販売される?
（引用： https://twitter.com/lidlespana/status/1608026971014832130 ）
日本のだじゃれに近いジョーク記事を披露したのが、スーパーマーケットチェーンのLidlである。「チャパタ（chapata:イタリア起源のパン）で作ったチャパティリャ（chapatilla)が焼き上がりました！！この靴でこの冬も暖かく過ごしていただけますよ」というもの。
実はスペイン語では、靴のことをサパティリャ（zapatilla)と呼ぶ。つまり、これはサパティリャ（zapatilla)とチャパティリャ（chapatilla)の発音がよく似ていることから作られた、だじゃれジョーク記事だったというわけである。
日本企業はこの日をどのように活用するか
文化が異なれば笑いのツボも異なるものである。そのため、外国でユーモアセンスを駆使してSNSで話題になるのは、意外と難しい。とはいえ、このエル・ディア・デ・トードス・ロス・サントスのような日を活用し、日本企業への注目を集めるのは良いマーケティング戦略となる。
思わずニヤリと笑ってしまうようなユーモアセンスは、スペインでの市場開拓でも有効な武器になるのではないだろうか。
参考文献： https://motor.elpais.com/actualidad/el-nuevo-coche-de-la-guardia-civil-650-cv-y-hasta-350-km-h/
