無形文化遺産!歌とダンスの祭典「Youth Song and Dance Celebration」が首都タリンで開催
6月30日から7月2日にかけてYouth Song and Dance Celebrationが開催された。通算13回目で、3日間それぞれのテーマで様々なパフォーマンスが披露された。ユネスコの無形文化遺産に登録されているこのイベントは、人気の歌手が代わる代わる出てくるようなイベントではない。伝統衣装を着てのパフォーマンスで民族意識を再確認するようなイベントだ。歌とエストニアには切っても切れない縁があり、背景を知ることでより深く楽しめるようになるだろう。
無形文化遺産! 歌とダンスの祭典「Youth Song and Dance Celebration」が首都タリンで開催
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年7月31日
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Youth Song and Dance Celebrationとは
その名の通り、歌とダンスのパフォーマンスが行われるイベントだ。このイベントはユネスコの無形文化遺産に登録されているほど重要なものである。
数日間にわけて実施されるこのイベントでは、エストニアの伝統衣装を着た人をたくさん見ることができる。特徴的なのは女性の民族衣装で、ストライプのスカートに刺繍の施されたブラウスをまとってパフォーマンスを行う。
”Youth”と名がつく通り、パフォーマンスの中心となるのは子どもたちで、大人も参加するのは”Youth”がつかない「The Song and Dance Celebration」で、こちらの方が歴史は長く、次回は2025年に開催が予定されている。
(参考:The 13th Youth Song And Dance Celebrations https://2023.laulupidu.ee/en/)
(参考:Visit Estonia
https://www.visitestonia.com/en/xiii-youth-song-and-dance-celebration?_ga=2.195110188.128781532.1688178568-1687784176.1688178568
)
今年度のイベントの様子
1日ごとに異なるテーマで、3日間を通じて様々な演目が用意されている。
フォークソング、ダンス、歌の各テーマに異なる監督が割り振られている。この3つのテーマに共通して打ち出されている指針が「Holy is the Land(聖なる大地)」。これに沿ってパフォーマンスが行われた。
初日はあいにくの大雨となったが、それでも観客は入りチケットは売れたという。最新の発表によると、総勢51,000人強の観客がイベントに参加したそうだ。
歌とエストニアの深い関係
全国規模の歌のイベントというのは日本にはない文化で珍しいかもしれない。歌とエストニアには深い関りがあり、これなしには国家の独立も語れないのである。
第二次世界大戦後、エストニア、ラトビア、リトアニアの3国はソビエト連邦に併合されていた。この3国が独立を求めてデモをしていた際、歌うことで自由を求めたのだ。「The Singing Revolution(歌う革命)」と呼ばれるこの動きは、1988年にタルトゥ(エストニア第2の都市)で行われたポップミュージックフェスティバルにて、その後のデモにつながる民族主義的感情が解放されたと言われている。
(参考:ICNC https://www.nonviolent-conflict.org/estonias-singing-revolution-1986-1991/)
まとめ
エストニアの夏のイベントのひとつ、Youth Song and Dance Celebrationが無事終わった。コロナ流行後初の開催となり、どうなることかと思ったが盛況に終わった。今回はユースのイベントであったが、次回は大人も加わる更に規模の大きいソングフェスティバルが2025年に開催される。国の歴史、伝統衣装、独特な言語等を一挙に感じられるエストニアの大きなイベントに参加してみてはどうだろうか。