オーストラリア:日本車シェア50%超!いすゞが顧客満足度調査で1位!

オーストラリア

オーストラリアでは、国産自動車メーカーは存在せず、全ての自動車が輸入されている。その中でも日本車は人気であり、2022年の新車市場のシェアはトヨタがトップで、続いてマツダとなっている。また、トップ10には三菱、スバル、いすゞなどの日本車もランクインしており、日本車メーカーのシェアは52.2%と半数以上を占めている。
オーストラリアにおける、日本車メーカーのシェアと人気車種を解説いたします。

オーストラリア:日本車シェア50%超!いすゞが顧客満足度調査で1位!

   著者:オーストラリアgramフェロー 平澤 歩
公開日:2023年3月26日

オーストラリアの自動車は輸入車のみ

オーストラリアでは唯一の国産自動車メーカーであった「Holden(ホールデン)」が2017年に生産終了し、現在国産自動車メーカーはありません。

また、国外自動車メーカーのオーストラリア工場での生産も、2016年にフォード(アメリカ)、2017年にトヨタが工場を閉鎖したのを最後に、全ての自動車が輸入されています。

日本車の販売シェアは50%超、トップシェアはトヨタ

オーストラリア連邦自動車産業会議所(以下FCAI)の統計によると、2022年のオーストラリア新車市場の販売台数シェアは、1位トヨタ(21.4%)・2位マツダ(8.9%)・3位起亜(韓国/7.2%)と、トップ2位を日本車メーカーが獲得しています。トップ10には、4位三菱(7.1%)・8位スバル(3.3%)・9位いすゞ(3.3%)がランクインしており、日本車メーカーのシェアは52.2%(2022年)と全体の半数以上を占めています。

トップ10圏外ではありますが、日産・ホンダ・スズキ・レクサスも新車が販売されていて、街中でよく見かけます。

車種は小型トラックとSUVが大人気

FCAIの統計によると、2022年の新車車種別売上は、1位トヨタ「ハイラックス」(6万4391台)・2位フォード「レンジャー」(アメリカ/4万7479台)・3位トヨタ「RAV 4」(3万4845台)・4位三菱「トリトン」(2万7436台)・5位マツダ「CX-5」(2万7062台)となっており、トップ5に日本車メーカーの車種が4つランクインしています。

このうち「ハイラックス」「レンジャー」「トリトン」はピックアップトラック、「RAV 4」「CX-5」はSUVです。日本ではピックアップトラックの国産車販売はトヨタ「ハイラックス」のみとなっており、メジャーな存在ではありません。一方、オーストラリアではたくさんの道具や機材を運ぶ職人や、マウンテンバイクやキャンプなどアウトドアを趣味とする人から、「荷物を積み込みやすく、普通乗用車のように移動しやすい」という理由で人気を集めています。

顧客満足度調査では「いすゞ」が1位

いすゞは日本国内では2002年に乗用車の国内生産・販売を終了しており、「商用大型車専門の自動車メーカー」というイメージが定着しています。しかし、オーストラリアや東南アジアで、乗用車であるピックアップトラックやSUVを生産・販売していて、人気を博しています。

そして、オーストラリアで影響力を持つロイモーガン調査会社が主催する「カーメーカー・オブ・ザ・イヤー」では、2018・2020・2021年に顧客満足度第1位をいすゞが受賞しています。特に2021年度の顧客満足度は96.1%となっており、提供する車のデザイン性や走行感・品質管理・サービスのレベルの高さが評価されています。

まとめ

日本と同じ右ハンドルのオーストラリアでは、長らく日本車が圧倒的なシェアを誇っています。しかし、電気自動車(EV)の需要の高まりと共に、中国メーカーが安価なEV車の輸出に力を入れてくることが予想されています。日本車メーカーもさらなるバリューを生み出すことが、トップシェア維持のカギとなりそうです。

【引用】
◇Federal Chamber of Automotive Industries: https://www.fcai.com.au/news/index/view/news/787
◇Car Expert: https://www.carexpert.com.au/car-news/vfacts-australias-new-car-sales-results-for-2022
◇CAR SEARCH: https://www.carzsearch.com/holden
◇Isuzu UTE Australia: https://www.isuzuute.com.au/discover/news/isuzu-ute-wins-roy-morgan-award

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