鶏肉好きなマレーシア人の鶏肉事情

マレーシア

普段は、朝市の露店で豚肉や鶏肉を買うことが多いですが、小さな路上の市場にも必ず鶏肉屋や豚肉屋が軒を連ねるほど、マレーシア国民の食卓に欠かせないのが肉です。
以前記事で、数カ月の内に豚肉の価格が5~6%も値上げがあったと紹介しましたが、肉類の価格上昇は食費への影響が非常に大きいです。
今回の記事では、マレーシアの鶏肉事情について紹介します。

鶏肉好きなマレーシア人   

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2023年1月6日

断然多い鶏肉の消費量

マレーシア統計局によると、2021年度の一人当たりの肉類の平均年間消費量は、鶏肉46.1kg、豚肉17.3kg、牛肉5.5kg、アヒル 1.6kg、 羊肉 1.0Kgで、鶏肉の消費量が飛び抜けて多くなっています。マレーシアの国教はイスラム教で、豚肉を食べることが禁止されていることが大きく関係しています。
(出典: マレーシア統計局 Department of Statistics Malaysia

鶏肉消費量ランキング

OECDの2019年の調査によると、一人当たりの年間の鶏肉消費量のランキングは、1位はイスラエルの 64kgで、以下2位アメリカ50.1kg、 3位マレーシアの48.7kg、 4位ペルーで45.3kg 、5位はオーストラリア43.5kgとなっています。なんと、マレーシアは世界3位にランクインされています。

鶏肉は宗教的にしばりがなく、どんな宗教の人でも食べられ(イスラム系は豚肉は禁忌、牛肉はヒンズー教徒は牛肉が禁忌)、市場としても大きいためか、味のクオリティが必然的に高まっている気がします。
(出典:OECD, Meat consumption (Poultry meat), 2019)

地鶏

マレーシアでは、「カンポン・チキン(Kampong Chicken)」と呼ばれる地鶏が人気があります。肉自体がしっかりとしているけど硬さやパサつきはなく、肉のうま味が噛むたびに口の中に広がって、とてもおいしいです。カンポン・チキンは伝統的な放し飼い技術で育った在来種の鶏のことをいい(必ずしも放し飼いで育った鶏とは限りませんが)、ブロイラーのように大量生産が目的の鶏ではないので成長速度がゆっくりで、卵の生産量も少なめです。ゆっくり健康的に成長するので、他の鶏肉と比べて肉質が良くなり滋味豊かになります。

また、アヤム・チェマニ(Ayam Cemani)と呼ばれる見た目も肉もすべて真っ黒なマレーシアの在来種の鶏もたまに市場やスーパーなどで見かけることもあります。

価格統制

2022年6月末まで鶏肉価格を1Kg当たり8.90リンギにするという上限価格制がありましたが、政府は7月1日付で上限を1Kg当たり9.40リンギに設定し、下から40%を占める低所得者世帯への支援策として新価格が決定されていました。これは8月末で撤廃され、現在では、1Kg当たり12、3リンギの高い水準で推移しています。
一時は国内の消費量を確保するために、隣国シンガポールへの輸出も禁止されていましたが、現在は輸出が再開されています。

日本よりおいしいマレーシアのKFC

在マレーシアの日本人はよく「マレーシアのKFCの方が美味しい」といいますが、KFCに限らずマレーシアの鶏料理はおいしいと思います。マレーシア人は「世界一だ!」とよく自慢しますが。マレーシアの鶏肉は、しっかりと肉に味があり、調理法もバラエティに富んでいて本当に飽きが来ません。

鶏料理に注目

中国系のチキンライス、マレー系のアヤムルンダン(ココナッツミルク煮)、インド系のタンドリーチキンと、それぞれの民族でチキンのおいしい食べ方を極めていますが、それ以外にも美味しい鶏料理はたくさんあります。毎日毎日鶏料理を食べても少しも飽きません。
マレーシアに来たら、ぜひいろいろな鶏料理を試してみて下さい。

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