シンガポールの屋台料理ホーカー文化がNYに進出

シンガポール

ニューヨーク初のシンガポール のホーカー( フードコート)がタイムズ スクエア近くに 9月 28日にオープンしました。
以前、2020年12月にシンガポールの屋台料理ホーカー文化が、「ユネスコ無形文化遺産」に登録されたという記事を書きましたが、今度はNY進出です。
今回はこの記事について解説いたします。

シンガポールの屋台料理ホーカー文化がNYに進出

   著者:マレーシアgramフェロー Malay Dragon 
公開日:2022年10月20日

NY進出

シンガポール全土にどこにでもあるホーカーがついにニューヨーク市に進出しました。
Urban Hawker (フードコートの名前) は 9 月 28 日にマンハッタンのタイムズ スクエアからわずか数ブロックのところにオープンしました。
Urban Hawkerは、シンガポールの起業家でフォトジャーナリスト、シンガポールで最も有名なグルメガイドブックである「Makansutra 」の創設者であり、シンガポールのストリート フードの専門家および大使として広く知られているKF Seetoh氏による最新のプロジェクトです。
Seetoh氏自身が設立したホーカーセンター「Makansutra Gluttons Bay(マカンストラ・グラットンズ・ベイ)」は、シンガポールでも最も人気のあるホーカーセンターで、ラッフルズ アベニューのエスプラネードモール内にあります。選りすぐりの屋台が集まっていてシンガポールの美味しいものが一挙に揃っている上、マリーナベイサンズをはじめマリーナエリアを一望出来るロケーションで旅行者にも人気です。

ガイドブック「Makansutra(マカンストラ)」

「Makansutra(マカンストラ)」の「Makan」はマレー語で「食事」や「食べる」ことを意味し、「Sutora(ストラ)」はインドのサンスクリット語で「経典」という意味で「Makansutra」は「食の経典」という意味合いがあるようです。
この本は「料理別」「エリア別」に各レストランや屋台の点数が記されていて、有名なミシュランガイド方式です。
1998 年の発刊以来、屋台に1~3膳の箸の数でランキングを授与し、これまでに数多くの屋台をランク付けしてきました。これにはあらゆる種類の料理が含まれていて、各ホーカーは、マカンストラのレビューを屋台の前に誇らしげにテープで貼り付けています。
マカンストラガイドは、シンガポールの主要な書店で見つけることができ、電子版もあります。

シンガポールの文化をNYと共有する

シンガポールの多様な料理をNYに持ち込むことで、Urban Hawker は東南アジアの本物の食文化を紹介することを目指しています。出店する屋台の多くは、自社のブランドをシンガポールから直接持ち込んでいます。
シンガポール料理の主な魅力の 1 つは、多国からの影響が混ざり合っていることで、ホーカーセンターは食文化の多様性を示しています。
Seetoh氏は「私はホーカーフードが世界に好まれると常に信じてきました。それはホーカーフードは質素で謙虚で世界も愛する伝統料理だからです」と語っています。
また「NYのフードビジネスを構築するよりも、ホーカーのコミュニティ精神を街にもたらすことが重要です。五感すべてを通じてシンガポールの食文化を再現すること。熱い中華鍋で揚げる麺の匂い、注文の合間にお客と共有される物語や音が大切です」と述べています。

シンガポールの食文化を守る

世界文化遺産にも認定されたシンガポールのホーカーですが、近年は深刻な後継者不足に直面しています。若者は現代的なおしゃれなお店を好みホーカーから離れがちで、店主の高齢化も進んでいる状況です。店主の熟練の技術や伝統を次世代の若者たちに継承することも困難な状況にあります。
Seetoh氏も「私にとって最も重要なことは、中国、マレー、インド、プラナカン、海南などの食文化を正しく維持することでした」と言います。さらに「うまくいけば米国の他の都市、さらには他の国に拡大する」「ホーカー文化を輸出する必要があり、Urban Hawkerは、衰退するホーカー文化のノアの方舟です」と語っています。
世界的なインフレも加わり厳しい状況にあるシンガポールの食文化が、新たな形で継承されていきます。

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