エストニアの同性婚合法化に注目!先進性を示す新たな一歩
2023年6月20日、エストニアは同性婚を法的に認める歴史的な決断を下した。ソ連統治下時代は男性同士の関係が犯罪とされていたが、独立を経てパートナーシップ制度が成立。そして今回同性婚が認められる運びとなった。
国民の反応については、過去10年間で同性婚を支持する割合が増えたが、一方ではまだ同性婚を受け入れられないと回答している人もいる。エストニアの決定は注目を集めており、一部の人々は革新的な政策として評価している一方、反対意見も存在している。
同性婚が認められたエストニア
著者:エストニアgram fellow さえきあき
公開日:2023年3月12日
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歴史的に大きな決断
2023年6月20日、ついにエストニアで同性婚が法的に認められた。これはバルト三国の中で初めての決断である。実際に法が効力を持つようになるのは2024年からではあるが、エストニアに限らず他国でも記事になるくらい話題性があった。
法の成立に際し、首相のカヤ・カラス氏は自身のTwitterにてそのことを報告した。
It’s official: #Estonia has legalised marriage equality. We join other Nordic nations with this historic decision.
— Kaja Kallas (@kajakallas) June 20, 2023
I’m proud of my country. We’re building a society where everyone’s rights are respected and people can love freely.
The decision will enter into force from 2024. pic.twitter.com/tQJdO70eEo
意訳すると、「すべての人の権利が尊重され、人々が自由に恋愛できる社会を築いていきます。」と述べている。
同性婚が合法になるまでのエストニアの歩み
今回エストニアで同性婚が認められるまでには下記のプロセスがあった。
ソ連の統治下時代のエストニアでは男性同士の関係は犯罪とされていた。この決まりがなくなったのはソ連から再び独立をした年の翌年、1992年のことであった。そして、2014年には登録パートナーシップ制度を成立させ、来年2024年から同性婚が認められた。
一方で、他のバルト三国の構成国であるラトビアとリトアニアは未だ同性同士のパートナーシップ制度の導入という点で躓いており、同性婚が法的に認められるようになるためにはまだ越えなければいけないステップが残されている状況だ。
(引用元:Deutsche Welle https://www.dw.com/en/estonia-legalizes-same-sex-marriage/a-65972304)
国民の同性婚に対する反応
10年前は、同性婚を支持する人は全国民の34%に過ぎなかった。Centre for Human Rightが2023年に行った調査によると、全国民の53%が同性婚を支持すると回答しており、世間の考え方は年々アップデートされてきた。
しかしながら、38%のエストニア人は同性婚は受け入れられないものと同調査で回答している。それには、国の人口の4分の1を占めるロシア住民が関連していると考えられており、同性婚の支持率は40%に過ぎない。
(引用元:err.ee https://news.err.ee/1609012469/historic-decision-estonia-legalizes-same-sex-marriage)
ロシアでは同性カップルや同性婚に対する偏見がまだ大きく残っており、旧ソ連構成国ということも影響し、ロシアの価値観を持った住民たちはロシア系住民に限らず存在している。この国の問題を語る際には「ソ連」「ロシア」という言葉が物事の根幹に深く関わっているのだ。
まとめ
今回の決定により東欧ではスロベニアに続き2番目に、そして旧ソビエト連邦構成国の中では最もはやく同性婚が合法化されたエストニア。革新的なシステムや柔軟な政策を進めていくのが注目され目立つ一方で、その決定を好ましく思わない人々も一定数存在することが調査から明らかになっている。
筆者のエストニアの友人は、国の政策やプロジェクトに関して「小さな国だから新しい方法でものごとを進めて、世界の中で存在感を強めようとしている最中なんだと思う」と評価していた。